- 敷地調査の概要と重要性がわかる
- どんな調査を行うのかを知ることができる
- 事前調査をすることで住宅の建築がスムーズに行える
家を建てる際は、土地の事前調査をしてもらうと安心です。事前調査ではどんな調査が行われるのかということや、調査の重要性を理解しましょう。あわせて、調査内容のなかで特にチェックしておきたい項目も解説するので、家を建てたい方はぜひ参考にしてください。
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敷地調査(土地の事前調査)とは? なぜ重要なの?
敷地調査とは、土地の測量を行って、地盤の強度などを調べたりその土地にかかる法的な規制を確認したりして、敷地の潜在的な問題をチェックする作業のこと。
詳しい調査内容は次章で解説しますが、基本的な内容は以下の通りです。
- 法規制の確認を行う
- 敷地の測量や状態確認を行う
- 上下水道・ガス・電気の配管などの有無を調査する
- 道路や隣地との高低差を確認する
- 地盤の状態をチェックする
- 周辺環境を確認する
敷地調査が重要な理由とは?
何か問題があった場合、将来的なトラブルを防ぐため、早めに解決しておかなければなりません。敷地調査をすることで、土地のリスクを事前に知って対処できます。
土地のリスクとは、たとえば、地盤が弱く改良工事が必要・制限によって希望の家を建てられない・予定していなかった工事が必要になり費用もかさむなどです。極力トラブルを抑えながら安全に住宅を建てるために、敷地調査は非常に重要といえます。
敷地調査ではどんな調査を行うの?

前章の内容をもとに、敷地調査でチェックされる項目について詳しく見ていきましょう。
1. 法規制調査
土地を手に入れさえすれば自由にどんな家でも建てられる、というわけではありません。土地にはさまざまな法令上の制限が定められていることがあります。
そこで、役所や法務局で、土地の権利関係や法的な規制などを確認する調査が行われます。法務局では登記簿謄本・地積測量図の取得、所有者や抵当権の有無など、役所では法規制に関する内容や上下水道の引き込みの有無などを調べることが可能です。
2. 測量調査
土地の状態を把握するために測量を行います。土地の測量は、大きく分けると「現況測量」と「境界確定測量」の2種類です。
現況測量では、名前の通り土地の現況を測定します。測量で判明する内容は、敷地の形状・面積・道路幅員などです。
一方、境界確定測量とは、隣地との境界が明確でない場合に隣地所有者立ち会いのもとで境界を確定させるもの。法務局などの公的な書類と実際の土地とを照らし合わせながら、隣地との境界を決めます。
3. 地盤調査
地盤が弱くそのままでは家を建てられない土地では、改良工事が必要になります。そのため、地盤の状態も調査しなければなりません。
地盤の強度を調査する方法として、スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)があります。地面に鉄の棒(ロッド)を突き刺し、深度約10mまでの土の硬軟や閉まり具合などを求める試験です。
ロッドを刺すときに抵抗が強ければ硬い地盤、逆にスムーズに沈めば弱い地盤と判断されます。一戸建てなどの小規模な建物を建てる際の土地の支持力を把握するために、広く利用されている方法です。
4. 周辺環境調査
所有する土地そのものは良くても、周りの状況に問題があるかもしれません。そこで、日当たりや通風・採光、近隣の建物の窓の位置・距離など、実際に暮らすときに気になる周辺環境をチェックする調査も行われます。
敷地調査で特に重要なチェックポイントを紹介
つづいて、前章で見た調査のうち特に重要なものについて、さらに詳しく解説します。
1. 法令上の規定・制限
住宅建築に関しては、前述したように、公に定められたさまざまな規定や制限があります。たとえば、「不動産登記規則」に明記されている「地目」。土地には宅地・田・畑・原野など用途の区分(地目)があり、「宅地」でないと家を建てられません。
また、都市計画法で定められている「地域地区(用途地域)」。第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・商業地域・工業地域などに分けられており、該当する地域によっては建てられる家に制限が設けられています。
【不動産登記規則】
(地目)
第九十九条 地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。
【都市計画法】
(定義)
第四条 この法律において「都市計画」とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、次章の規定に従い定められたものをいう。(以下略)
(地域地区)
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)(以下略)
2. 高低差・道路幅
測量で判明する、土地の高低差や敷地に接する道路幅の確認は重要です。道路と敷地に大きな高低差がある場合には、斜面の土の崩落を防ぐために擁壁を造らなければならないケースがあります。
また、都市計画区域に指定されている住宅敷地では、原則幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならないという接道義務が定められていることにも注意しましょう。
【建築基準法】
(敷地の衛生及び安全)
第十九条 建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。
(中略)
4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。
(道路の定義)
第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。(以下略)
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
3. 地盤の強度
地盤調査では、地盤改良工事の必要性を確認するだけでなく、土地の特性や履歴をチェックすることも重要です。土地が持つ問題点を把握しておくことで、液状化や地盤沈下といった将来のリスクに備えることができます。
【建築基準法施行令】
(基礎)
第三十八条 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。(以下略)
(地盤及び基礎ぐい)
第九十三条 地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によつて、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。(以下略)
4. 敷地周辺の環境
プライバシーを守りつつ快適に暮らすためには、周囲の環境も軽視できません。隣家の窓の位置や風向き・日当たり・眺望、外部の騒音・振動・交通量、道路の広さなど、実際に住んでいる様子を思い浮かべながらチェックすることが重要です。
敷地調査には費用は必要?

一般的に、敷地調査はハウスメーカーや工務店が行います。そのため、費用についても理解しましょう。
相場は5~8万円
基本的な調査の相場は5~8万円程度です。ただし、一部のハウスメーカーなどではサービスの一環として無料で行ってくれることもあるので、費用を抑えたい方は調べてみてください。
追加料金が発生することもある
法規制が厳しい地域などでは、基本調査だけでは足りず、より詳細な調査が必要になることがあります。すると、追加料金を請求されることもあるようです。トラブルを抑えて家を建築するために大切な調査なので、必要経費と捉えましょう。
アドキャストではオリジナルの物件調査が可能!
不動産会社「アドキャスト」では、役所調査・法務局調査・境界に関する調査といった内容はもちろん、地域性・町内会・治安などについて地域住民に聞き込みするなど、独自の物件調査を行っています。
調査によって建築における問題やご近所トラブルなどを未然に防ぐことができるため、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
土地の事前調査は家を問題なく建設するために欠かせない重要な調査

敷地調査とは、家を建てる前に土地の状態を把握するために行われる調査です。
調査される項目は多岐にわたり、希望通りの家を建てられない・日当たりが悪く暗い・境界や騒音などの近隣トラブルが起きた・家が長持ちしないなどのあとあとのトラブルを防ぐために欠かせません。一般の人にはわかりづらい、法令に関する専門知識も必要です。
また、物件を購入する際には、快適な暮らしを実現するために物件調査を利用すると安心です。前述したように、アドキャストではオリジナルの調査を行っており、利用者様が調査を希望する内容にも可能な限り対応しておりますので、どうぞお気軽にお申し付けください。