- 土地購入時に必要な諸費用がわかる
- 条件によっては追加で費用が必要になることがある
- 諸費用を計算に入れながら余裕のある資金計画を立てよう
土地を購入する際にかかる費用は、土地代だけではありません。購入時にはさまざまな手続きを行わなければならず、税金などの諸費用がかかります。そこで、どのような費用がかかるのかを知っておくことが重要です。
土地購入を検討している方は、今後の資金計画に関わる重要な内容のため、ぜひ最後までお読みください。
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土地購入時にかかる8つの諸費用とは?
土地購入時にかかる諸費用にはどのようなものがあるのでしょうか。大きく分けて8つの費用を紹介します。
1. 仲介手数料
仲介手数料とは、不動産業者(宅地建物取引業者)の仲介によって不動産取引が行われた場合に、業者側が仲介を依頼した相手(買主さま)から受け取れる費用のこと。上限が決められているため、その範囲内で支払いが発生します。
土地価格 | 上限の料率 |
---|---|
200万円以下 | 土地価格の5.5% |
200万円超400万円以下 | 土地価格の4.4% |
400万円超 | 土地価格の3.3% |
計算例:物件価格300万円の場合
200×5.5%+100×4.4%=上限15.4万円
不動産業界では「土地代金×3%+6万円+消費税」で計算するのが一般的です。ただし、800万円以下の売買では、特例によって最大33万円に設定できます。特例の適用対象は売主さま・買主さまの両方です。
引用元
<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ|国土交通省
2. 印紙税
印紙税とは、売買契約書に貼る印紙にかかる国税で、契約書や金銭の受取書などに課税される税金です。本則での決まりがありますが、令和9年3月31日までは軽減措置でおおむね半額程度に減額されます。
土地価格 | 本則 | 軽減額 |
---|---|---|
100万円超 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超 5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
※100万円以下や5億円超の場合の規定もあります
引用元
令和6年6月 印紙税の手引|国税庁
No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長について|国税庁
3. 固定資産税・都市計画税
固定資産税とは、所有する不動産に対してかかる地方税。都市計画税とは、都市計画事業や土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に必要な費用のために、市町村から徴収される地方税です。
固定資産税は課税標準額(固定資産税評価額)×税率1.4%、都市計画税は課税標準額×税率0.3%で計算されます。ただし、お住まいの地域や条件によっては減税が適用されることもあるようです。
土地や建物を1月1日時点で所有している人がその年の1年分の税金を納めますが、1年の途中で引き渡された場合は、日割り計算によって買主さま側に清算金が発生します。
引用元
固定資産税|総務省
都市計画税|総務省
固定資産税・都市計画税の条例減額制度|東京都主税局
4. 不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を取得した年に一度だけ課税される地方税。課税標準額×1/2×税率4%が本則ですが、令和9年3月31日までは軽減措置が適用されて税率が3%です。さらに、一定の条件を満たす不動産の場合には、軽減措置により非課税になることもあります。
引用元
不動産取得税|総務省
不動産取得税の軽減制度について|東京都主税局
5. 登録免許税
登録免許税とは、不動産所有権の登記にかかる国税です。登記の種類によって税率が変わり、不動産売買では課税標準額×税率2%ですが、こちらも軽減措置があり、令和8年3月31日までは税率が1.5%に減額されます。
6. 司法書士報酬
登記の手続きを司法書士に依頼した場合は、報酬が必要です。司法書士側が比較的自由に決められ、明確な報酬額の取り決めはありません。
報酬額は登記の種類で異なりますが、日本司法書士会連合会が公開しているある調査では、不動産売買において、固定資産評価額1,000万円の場合の報酬額が2〜10万円前後でした。
ただし、面識のない相手からの依頼の場合は本人確認などが必要なため、3〜20万円前後かかるようです。
引用元
司法書士の報酬と報酬アンケートについて|日本司法書士会連合会
7. 住宅ローン手数料
住宅ローンの手数料は、「融資手数料」「事務手数料」などと呼ばれ、住宅ローンを契約する際にかかる諸費用のひとつです。借入をする側が、融資をしてくれる金融機関に対して支払います。
借入金額に対して一定の割合でかかる「定率型」と、借入金額に関わらず一定の金額に定められた「定額型」の2タイプです。融資が実行される日に一括で支払うのが一般的で、定率型で1.5〜2.2%、定額型で33,000〜55,000円ほどかかります。
なお、手数料が安くても、別途保証会社に対して保証料の支払いが必要なケースもあるため注意しましょう。
場合によっては必要になる5つの諸費用とは?

つづいては、土地購入時に必ずしもかかるわけではなく、場合によっては発生する可能性がある諸費用について解説します。
1. 建物の解体に関する費用
建物付きの土地を購入して別の建物を新たに建て直す場合は、まず現存する建物の解体費用が必要です。
解体する建物の構造にもよりますが、1坪につき5~10万円程度を目安として考えておくとよいでしょう。
2. 測量費用
隣地との境界が明確になっていない場合、将来的なトラブルを防ぐために測量を行う必要があります。測量費用は数十万円かかることが多く、売主さまが負担してくれるケースもありますが、買主さま側が支払わなければならないこともあるので、頭に入れておきましょう。
測量の際は、隣人が立ち会って境界を確認するのが一般的です。購入する土地は測量が必要なのか、費用は誰が負担するのか、事前に不動産会社に確認してみてください。
3. 農地転用に関する費用
土地の元々の登記簿の地目が「畑」や「田」の場合、法律上では農地扱いになっています。そこに住宅を建てるには、自治体で農地転用の手続きをしなければなりません。
手続きには専門知識が必要なため、司法書士などに依頼する費用がかかります。10〜20万円前後が目安です。
4. インフラの整備費
日常生活を支える上下水道やガスなどのインフラ設備が整っていない土地では、引き込み工事が必要です。50〜100万円ほどかかるケースもあるため、整備状況を確認しましょう。なお、自治体によっては補助金が出ることもあるようです。
5. 地盤改良費
土地の地盤調査の際、地盤沈下などの恐れがあり住宅建築に適していないと判断されると、地盤の改良工事もしなければなりません。地盤改良は、工法などによって費用が異なりますが、50〜100万円程度かかる可能性があります。
いくら必要になる? 諸費用をシミュレーションしてみよう!
ここまでの内容をもとに、仮条件を設定し、諸費用のシミュレーションを行います。
【前提条件】
- 土地価格を2,500万円とする
- 土地価格=課税標準額とする
- 手付金250万円を頭金とし、残りを住宅ローンで借り入れる
- 1年のちょうど半分で購入したものとする
- 令和7年(各種税金の軽減措置適用時)に購入したものとする
費用の種類 | 計算式 | 金額 |
---|---|---|
仲介手数料 | 土地価格×3%+6万円+消費税 | 89万1,000円 |
印紙税 | – | 1万円 |
固定資産税の清算金 | 課税標準額×税率1.4%÷2 | 17万5,000円 |
都市計画税の清算金 | 課税標準額×税率0.3%÷2 | 3万7,500円 |
不動産取得税 | 課税標準額×1/2×税率3% | 37万5,000円 |
登録免許税 | 課税標準額×税率1.5% | 37万5,000円 |
司法書士への報酬 | – | 10万円 |
住宅ローン手数料 | – | 50万円 |
合計 | 246万3,500円 |
シミュレーションの結果、今回の条件下での諸費用は約250万円と算出されました。ただし、購入する土地の価格や、どの金融機関で住宅ローンを組んでいくら融資を受けるかなど、条件によって大幅に変動するため、あくまで目安として考えてください。
さらに、前章で解説したように、場合によってかかる費用が追加される可能性もあります。土地の状態次第では、数百万円プラスされるかもしれません。
また、諸費用には、土地価格に組み込まれる手付金や頭金は含まれませんので注意してください。
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諸費用も考慮して余裕のある資金計画を立てよう!

土地購入の際には、諸費用として税金や手数料などが発生します。土地価格のみを考えていては、思わぬ出費に驚くかもしれません。
どのような費用がかかるかという内容や、費用の計算方法、目安もお伝えしたので、諸費用がかかることを事前にしっかり考慮して、余裕のある資金計画を立てましょう。ご自身でシミュレーションを行うことも大切です。
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