古家付き土地とは?購入のメリット・デメリットやポイントを押さえよう

古家付き土地とは?購入のメリット・デメリットやポイントを押さえよう
この記事のポイント
  • 古家付き土地とはどんな家かがわかる
  • 古家付き土地購入時のメリットとデメリットを理解できる
  • 古家付き土地で家を解体する場合の費用負担は買主さま側
  • 土地購入費用以外に解体費用も頭に入れておく

家を建てるための土地を探している人には、更地ではなく「古家付き土地」という選択肢もあります。そこで、古家付き土地とはどんな土地なのかを知り、メリット・デメリットや購入時の注意点を押さえましょう。

解体費用の目安も解説するので、古家付きの土地を購入する場合の参考になれば幸いです。

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古家付き土地とは

「古家(ふるや)付き土地」とは、築年数が経過していて住宅としては資産価値がほぼない建物(古家)が残っている「土地」を売り出したもの。売り物はあくまでも土地であるため、建物部分を売り物にする「中古住宅」とは異なります。

なお、古家付き土地とは対照的に何も建物が建っておらず、借地権や抵当権などの権利が決まっていない宅地を「更地」といいます。建物がなくても、宅地ではない山林や農地は対象外です。

築何年以上の住宅を「古家」と呼ぶか、一般的に多いのは20年程度ですが、法律などでの明確な基準はありません。古家と聞くといかにも壊れそうな家をイメージする人もいるかもしれませんが、十分住めるケースもあり、状態によっては購入後に手を加えて住む人もいます。

古家付き土地を購入するメリット

古家付き土地を購入するメリット

では、古家付き土地のメリットとはどんな点なのでしょうか。

1. 再建築する際のイメージが湧きやすい

古家付きの土地は、更地とは異なり家がある状態なので、実際に建てたときや住むときの様子をイメージしやすいことが大きなメリットです。

今ある家の日当たりや風通し、見晴らしなどを確認できるとともに、家の規模感やレイアウトがどうかなどを実際に目でチェックできます。窓をどこに取り付けるか、各部屋や水回りなどをどう配置するかといった、間取りを考える際の参考にもなるでしょう。

2. 比較的安く買える可能性がある

古家付き土地には売主さま側にとって価値のない建物が付いていることから、解体の手間や費用を差し引いて安く売りに出される傾向があります。そのため、周辺の土地の相場料金より低価格で買えることが多い点もメリットです。

値引き交渉にも応じてもらいやすいでしょう。

3. リフォーム・リノベーションをして住める家もある

土地に建っている住宅は、「古家」とされていても、住むに耐えない状態とは限りません。

内装・壁紙などを取り替えたり、老朽化した設備などを新しくしたりと、リフォーム(部分的改修)やリノベーション(大規模改修)で現状に手を加えることにより、取り壊しや建て替えをせず住めるケースもあります。

古民家などへのあこがれがある人には、古家付き土地は向いているかもしれません。ただし、必ず住めるという保証はないので注意してください。

古家付き土地を購入するデメリット

メリットとあわせて、古家付き土地のデメリットも押さえましょう。

1. 売主さま側は契約不適合責任を免責される

契約不適合責任とは、不動産の売買において万が一契約内容に相違があった場合、売主さま側に法的責任が発生するものです。

前章のメリットのなかで、古家に住めるケースもあることをお伝えしました。ただし、古家付き土地の売買では、売却対象はあくまでも「土地」です。そのため、建物側に欠陥や不具合などの問題があっても契約不適合責任は適用されず、売主さまの責任は原則として問えません。

そのため、修繕して住むつもりで古家付き土地を購入したのに住める状態にならなかったという場合、買主さま側の自己責任になります。

また、古家付き土地の条件で売買契約を締結して住宅ローンの審査を受ける場合、金融機関は建て替える前提で借入可否を判断します。

そのため、住宅ローンを利用すると古家の利用はできない(古家を建て替えずに利用できるのは現金で購入した買主さま限定である)ことにご注意ください。

2. インフラ工事が必要なことがある

年数の経過した古家では、上下水道が引き込まれていなかったり、給排水などの配管が老朽化していたりすることがあります。そのため、古家に住む、または建て替えをする場合、インフラの引き込み工事や取り替え工事が必要になるかもしれません。

工事を行う場合、費用も数十万~百万円前後かかる可能性があることを頭に入れておきましょう。

3. 境界線や道路の承諾があいまいなケースがある

古家付き土地では、隣地との境界がはっきりしていないことがあります。そのままにしておくと、所有権の問題などでのちのち隣人トラブルに発展するケースもあるため、きちんと確認しておかなければなりません。

なお、もし境界や道路の承諾がはっきり定まっていない場合、測量が必要です。

測量と承諾の取得は同じ測量士がまとめて実施するケースが多く、接している世帯数や承諾を取得する世帯数により、数十万円で収まることもあれば百数十万円の費用が発生することもあります。そのため、事前に確認するのがおすすめです。

4. 建物を解体する場合の費用は自己負担

古家付き土地を更地にする場合の家の取り壊し費用は、原則として買主さまの負担です。費用目安は後述するので、参考にしてください。

また、建材にアスベストが含まれる場合、特殊工事が必要になり割高になる可能性もあります。

古家付き土地を購入する際のポイント・注意点

古家付き土地を購入する際のポイント・注意点

前章のデメリットもふまえつつ、古家付き土地を購入するにあたってどんな点に気をつければいいのかを解説します。

一般的な土地購入の流れや注意点については、下記の記事も参考にしてみてください。

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土地を購入する際の9つの注意点|後悔しない土地選びをするには

1. 土地と建物両方の抵当権を設定する必要がある

更地であれば土地のみでいいところですが、古家付き土地では、家が残っているがために、土地と建物の両方で所有権の移転登記と抵当権の設定が必要です。土地と建物それぞれの登録免許税(+司法書士に依頼する場合は報酬)もかかります。

2. 隣の土地との境界線や道路の承諾を確認する

前章でも触れましたが、隣地との境界が明確になっていない土地もあります。不明瞭な場合、隣人トラブルを防ぐためにも、どこからどこまでが自分の土地になるのかを測量によって確定させることが大切です。

3. 解体費用も考慮する

前述のように家を取り壊す際の費用は買主さまの自己負担なので、土地価格以外に解体費用についても考えておくことが大切です。

なお、住宅内に家具・家電などが残っていたり、解体中に浄化水槽や建物の基礎などの地中障害物が出てきたりすると、余分な撤去費用がかかるため、あわせて注意が必要です。

庭木や井戸の撤去などが必要になることもある

建物の解体だけでなく、庭木や塀などの障害物を撤去したり、庭を整地したりする必要があるケースもあります。庭に池がある・穴が開いているといった土地もあり、そのままで使うのが難しい場合は埋めなければなりません。

その分費用もかさむため、頭に入れておきましょう。

4. 市街化調整区域でないかを確認する

土地は、自治体によって市街化区域と市街化調整区域に分けられています。市街化調整区域は市街化を抑えるエリアとして指定されているため、もし購入する土地がその区域内にある場合、建て替えをしたいと思っても家の再建築ができません

【都市計画法第7条3】

「市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。」

また、市街化区域であっても、用途地域の区分によっては建てられる家の規模などに制限があり、希望通りの家を建てられない可能性があります。購入後に困ってしまわないよう、あらかじめ地域の規制をしっかり確認しましょう。

引用元
都市計画法 | e-Gov 法令検索
都市計画区域|国土交通省
用途地域|国土交通省

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5. リフォーム・リノベーションをすべき点や費用について考えておく

古家に住む前提の場合、手を加えるべき点をチェックするとともに、どれくらいの費用がかかるのか、予算も含めて検討しましょう。家の状態や買主さまの希望に合わせて、今ある家の構造・設備・間取り・外壁や外観などを修繕しなければなりません。

また、建材・資材の状況や傷み具合も確認する必要があります。

古家の解体費用はどれくらい?

古家の解体費用は、建物の構造や業者、立地などによって異なるため、見積もりを取って比較することも大切です。目安として、1坪あたりの解体費は木造では5~7万円程度、鉄骨造では7~9万円程度、鉄筋コンクリート造では8~10万円程度とされています。

この目安をもとに、例として、30坪と40坪の場合を計算しました。

木造鉄骨造鉄筋コンクリート造
30坪150~210万円210~270万円240~300万円
40坪200~280万円280~360万円320~400万円

このように、150~400万円前後かかることがわかります。

また、都市部では法令遵守のためなどで高くなることがあります。狭い道沿いや住宅密集地などでは、重機や廃棄物運搬用のトラックが入るかもポイントです。手作業が増えると費用がかさみやすいでしょう。

古家付き土地はメリット・デメリットの両面を押さえて検討を

古家付き土地はメリット・デメリットの両面を押さえて検討を

古家付き土地といっても家の状態にはばらつきがあり、住めるケースもありますが、解体・建て替えが必要になるケースも多々あります。

住める場合でも、リフォームやリノベーションの手間と費用がかかることが多いです。また、再建築するには解体費用と建築費用が発生します。

良い土地が見つかったと思い、早まって契約して後悔しないように、さまざまな面を考えた上で購入を決めましょう。

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