- 新築と中古それぞれ、購入者が選んだ理由がわかる
- 新築と中古それぞれのメリット・注意点を把握できる
- 新築か中古か、向いている人のタイプがわかる
住宅を購入するにあたって、新築にするか中古にするかで悩む人は少なくありません。マイホームの購入は人生においても非常に大きな買い物の1つであり、新築でも中古でも人によって向き不向きがあるので、慎重に検討すべきです。
今回は、実際に新築と中古を買った人々の「選んだ理由」を解説し、新築と中古それぞれのメリットや注意点もお伝えします。住宅購入を考えている人は、ぜひ最後まで読んで購入時に役立ててください。
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新築と中古ではどっちが売れている?
実際のところ、新築住宅と中古住宅はどちらのほうが売れているのでしょうか。
公益財団法人東日本不動産流通機構が発表した2023年の首都圏での成約件数データによると、新築一戸建ては4,949件、中古一戸建ては13,160件と、中古のほうが売れているという結果でした。
件数はいずれも前年より増加しており、中古は0.2%増とほぼ横ばいですが、新築一戸建ては13.3%と大幅に上回っています。
引用元
首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)|東日本不動産流通機構
新築・中古それぞれを選んだ理由トップ3
住宅の成約件数は中古のほうが多く、2023年時点で新築の2倍以上であることがわかりました。
では、国土交通省の令和4年度の「住宅市場動向調査」の結果から、一戸建て購入者がなぜ「新築」または「中古」を選んだのかを見ていきましょう。
新築一戸建てを選んだ理由
まずは新築の一戸建てを選んだ理由のトップ3を、注文住宅と分譲住宅に分けてお伝えします。
【注文住宅の場合】
- 新築の方が気持ち良いから 57.5%
- (中古の場合)リフォーム費用などで割高になる 29.7%
- (中古の場合)耐震性や断熱性など品質が低そう 28.6%
【分譲(建売)の場合】
- 新築の方が気持ち良いから 69.2%
- (中古の場合)隠れた不具合が心配だった 27.9%
- (中古の場合)リフォーム費用などで割高になる 25.2%
新築のほうが中古より好ましいと答える人が非常に多く、過半数です。ついで3割前後が、中古住宅を選んだ場合のリフォーム費用や建物・設備の性能、不具合などを気にしているという結果でした。
中古一戸建てを選んだ理由
つづいて、中古住宅を選んだ人の理由トップ3です。
- 予算的にみて中古住宅が手頃だったから 63.4%
- 新築住宅にこだわらなかったから 47.9%
- リフォームによって快適に住めると思ったから 33.1%
中古住宅選択者の場合、6割以上が価格に魅力を感じており、約半数が新築にこだわっていないことがおわかりいただけるでしょう。そして3割程度の人が、中古でも手を加えれば十分住めると思って選択しています。
新築住宅のメリット・注意点
つづいては、新築住宅を購入するメリットと注意点を解説します。
メリット1. すべてが新しい
新築住宅は、建物が新しいだけでなく、内装や設備も新品できれいです。新技術や新システムなどが取り入れられていることも多く、すべてが新しいため、気分良く入居できることを魅力に感じる人は少なくありません。
また、そもそも新しいので大きな欠陥の心配は少ないですが、万一に備えて保証やアフターサービスがついていることが多いです。そのため、もし初期不良などがあった際も安心でしょう。
メリット2. 高性能
新築は新しいことはもちろん、先端の構造や設備などが採用されており、性能が良いことも大きなメリットです。
建物は耐震性・気密性・断熱性に優れており、快適に住めます。さらに、古い建物や設備に比べて効率良く冷暖房を効かせられるなど、光熱費も抑えやすいでしょう。
メリット3. 税制優遇
新築住宅を購入した場合、13年間、最大273万円~455万円もの住宅ローン控除を受けられます。また、固定資産税や不動産取得税にも優遇措置があるので、節税の恩恵を受けられるでしょう。
引用元
No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
固定資産税|国税庁
不動産取得税に係る特例措置|国土交通省
注意点1. 価格が高い
新築の大きな注意点として、新しくて高性能であるため、中古と比べると基本的に物件価格が高額です。
さらに、人気の物件は、もともと高価格なことに加えて広告費などが上乗せされた「新築プレミアム」価格で販売されていることもあり、より高額での購入を覚悟する必要があります。
注意点2. 売却時に目減りする
すべてが新品の新築物件も、入居して少しでも住むことにより、当然「中古」扱いになります。
たとえば入居から短期間で売却することになった場合、「少ししか住んでいないから高く売れるだろう」と思うかもしれません。しかし、中古になる上、新築プレミアムの分も相まって、物件の価値が大きく目減りしてしまうことに注意が必要です。
注意点3. 入居後のトラブルやリスクを予測しにくい
新築物件は、入居後にどんな事態が起きるかの想像が難しいという面も。中古であればある程度予測できる、家の機能や設備といった内面だけでなく、騒音や環境面での問題など、実際に住んでからのトラブルやリスクを想定しづらい部分があります。
もちろん何の問題もない可能性も十分ありますが、何かあったときに対応が大変になるかもしれません。
中古住宅のメリット・注意点
中古物件のメリットと注意点も知っておきましょう。
メリット1. 価格が安い
中古住宅は、何といっても新築よりも物件価格が安く、経済的負担が少ないことが大きなメリットです。住居費が抑えられるため、ほかのことにお金を回せたり、新築と同じ予算を考えるなら、より立地のいい場所やより広い家などを選べたりします。
メリット2. 内覧や住環境の確認ができる
中古住宅は新築とは異なりすでに家が完成しているので、住むことをリアルにイメージしながら内見できます。新築の場合はモデルルームの見学ができることはありますが、日当たりや風通しなどが実際とは異なる可能性もあり、注意が必要です。
また、中古であれば内覧の際、近隣住民の様子など、家のみならず周囲の環境もチェックできます。さまざまな面から住みやすさを考えて検討することが可能です。
メリット3. 建物の管理状況や欠陥がわかりやすい
中古物件は、新築時にはわからなかった建物の欠陥などが見えやすいという面もあります。具体的にチェックしたいのは、内外壁や天井など。前の住民が適切に管理していたかが見え、今後どのような変化が起こるかなども予測を立てやすいでしょう。
なお、素人の目ではわかりにくい部分もあるので、プロが建物の不具合などを診断してくれる「ホームインスペクション」を、正式に売買契約する前にぜひ受けましょう。
注意点1. リフォームやリノベーションが必要
築年数や実際の物件の状態にもよりますが、中古住宅はどうしても新築に比べて性能や設備が古いため、修繕が必要になるケースが多いです。
自分好みの家に改装できるという面ではメリットでもありますが、費用がかかるため、予算と照らし合わせながら検討する必要があります。
注意点2. 建築基準法に適合していない可能性がある
中古物件は、耐震基準や建ぺい率(土地に対する建物の面積比率)などが建築基準法に適していない、いわゆる「違法建築」であるケースが見られます。特に、1981年5月以前に建てられた住宅は「旧耐震基準」に準じているため、耐震性に不安があることも。
このような違反建築物は、安全性に疑問があるほか、住宅ローン審査に通りにくいなどのリスクもあるため、しっかり確認することが重要です。
注意点3. 住宅ローンを組みにくい
住宅ローンを組む際は、物件の担保価値も審査基準のひとつ。中古住宅の場合、古すぎるなどで評価が低い物件では、住宅ローン審査に通らずローンを組めないこともあります。
古い物件は修繕費用も高額になりがちなので、担保評価額と物件価格や修繕費などのバランスを考えながら検討しなければなりません。
新築と中古、どっちがどんな人に向いている?
ここまでの内容もふまえながら、新築住宅・中古住宅それぞれどんな人に向いているのかを見てみましょう。
【新築が向いている人】
- 新しい設備や先端の技術などに関心が高い人
- 価格が高くても快適な環境で暮らしたい人
- 安全な家に住みたい人 など
【中古が向いている人】
- 時間やコストを抑えて家を買いたい人
- 将来家を手放す可能性がある人
- 立地や広さなどにこだわりがあり比較して検討したい人 など
新築or中古、比較して自分に合った住宅を選ぼう
新築住宅にも中古住宅にも、良い面と注意したい面があります。新しさ・性能・価格・建物の状態など、重視したい点は人によって異なるため、自分の状況や希望を考えながら検討してください。
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