一戸建てを木造で建てる前に知っておきたい基礎知識|メリットと注意点とは

一戸建てを木造で建てる前に知っておきたい基礎知識|メリットと注意点とは
この記事のポイント
  • 木造住宅の特徴や工法がわかる
  • 木造一戸建てのメリットと注意点を理解できる
  • 防火地域・準防火地域に建てる際は条件を満たす必要がある

マイホームとして木造の一戸建てを検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、建てる前に木造住宅についてきちんと理解しておくことが重要です。

建ててから後悔しないためにも、木造の特徴・メリット・注意点を押さえ、鉄骨住宅との違いも頭に入れて、納得した上で木造一戸建てに決めるとよいでしょう。

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木造住宅の特徴とは?

木造住宅とは、家の土台や柱などの主要な部分に木材を使用して建築した住宅のこと。木造住宅の特徴には、以下のような点があります。

  • 軽量で加工しやすい
  • 身近な自然素材である
  • 日本の気候風土に合っており古来から採用されている
  • 現在も一戸建てでは主流の建て方である など

引用元
住宅・土地統計調査 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計|e-Stat

木造住宅の工法にはどんなものがあるの?

木造住宅の工法にはどんなものがあるの?

木造住宅の工法は大きく分けて2つあるので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

木造軸組工法|在来工法

木造軸組工法は「在来工法」とも呼ばれ、柱と梁で骨組みを作り、屋根や壁などを組み合わせるという日本の伝統的な工法です。「線」で組み立てるため、比較的自由に間取りの設計ができる・大きな窓を設置しやすいといったメリットがあります。

木造壁式工法|ツーバイフォー

木造壁式工法とは、壁や床などの「面」を組み合わせて形を整える工法です。約2インチ×約4インチの建材で作られることから、「ツーバイフォー」とも呼ばれます。

木造軸組工法とは違って面で組み立てるため、工程が効率化されやすいことや、比較的頑丈な構造であることがメリットです。

木造一戸建てのメリットとは?

木造住宅の特徴や工法がわかったところで、つづいて、木造一戸建てにおけるメリットを解説します。

1. 建築コストが抑えられる

木材は鉄骨や鉄筋コンクリートに比べて材料費が安価なため、木造住宅は比較的建築費を抑えやすいという傾向があります。使用する木材の種類によって費用が異なるため一概にはいえませんが、メリットの一つとして知っておくとよいでしょう。

2. 気密性や断熱性に優れている

木造住宅は、木材の性質による効果で、気密性や断熱性に優れていることもメリットです。構造上、壁が多い・窓が小さいなどで余計な隙間ができにくいことに加え、夏は外気温の侵入を防いでくれて涼しく、冬は室内の温度を逃がさないため温かく過ごせます。

3. 調湿効果が高い

同じく木材の性質による効果で、通気性が良く、調湿効果が高いという一面も。乾燥するときには木材に含まれる水分が放出されて湿度を与え、湿度の高いときには木材が空気中の水分を吸収してくれるので、カビの発生や結露も抑えられます

気密性や断熱性と相まって、年間を通じて快適に暮らしやすいでしょう。

4. 設計の自由度が高め

前でも述べたように、木造の場合は比較的自由な間取りを作れることもメリットです。基礎や柱などの最低限の構造さえ保っていれば、それ以外の部分は自由に設計しやすいため、理想の家を建てやすいでしょう。

5. リフォームしやすい

前項の内容とも重なりますが、木造は鉄骨造などに比べて、構造に必要な部分さえしっかりしていればほかの部分は比較的柔軟に変更できるため、リフォームしやすいというメリットがあります。

木材は鉄材に比べて加工しやすいので、将来的にリフォームしたいときにも便利です。

木造一戸建ての注意点とは?

木造一戸建ての注意点とは?

木造一戸建てにはメリットだけでなく注意点もあるので、頭に入れておきましょう。

1. 耐久性が低め

木造は、鉄骨造などに比べると耐久性が低めなため、住宅用の鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建築物の法定耐用年数が47年なのに対し、木造や合成樹脂造は22年とされています。

ただし、この「法定耐用年数(耐用年数)」とは、「減価償却資産が利用に耐えうる年数」のことです。「耐用」という言葉から、建物の寿命のことだとイメージされがちですが、耐用年数はあくまでも課税のために一律に設定された年数。「法定耐用年数=建物の寿命」というわけではありません。

つまり、22年しかもたないという意味ではないため、こまめなメンテナンスなどによって家の劣化のスピードを遅くすることは十分可能です。大切な家なので、適切な手入れをしながら長持ちさせましょう。

また、住宅の耐震性について心配な方もいるかもしれませんが、現在はどんな家も建築基準法の「新耐震基準」に基づいて建てられるため、木造でも安心といえるでしょう。

引用元
主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁
Ⅰ 住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題|国土交通省

2. 害虫被害を受けやすい

天然素材である木材を使用することから、シロアリのような害虫による被害を受けやすいという傾向も見られます。

このような被害を防ぐには、床下にコンクリートを敷き詰める「ベタ基礎」にするほか、防蟻(ぼうぎ)処理を施した木材を使ったり、定期的に防蟻薬剤を散布したりといった対策が有効です。

3. 防音性が低い

木材は遮音性能が低いため、防音性が低いという面も。大通りに面していて外の音が気になる・周囲に家が多く近隣住民の生活音が心配という場合や、自宅で大音量で音楽を聴く・楽器を演奏する場合などには、天井・壁・床を二重構造にするといった対策を行うとよいでしょう。

4. 品質にばらつきがある

木造一戸建ては、職人の腕や木材の管理状況によって仕上がりに差が出やすいことも注意点です。納期が極端に短い・施工費用が安すぎるなど、不安要素がある場合は気をつけたほうがよいかもしれません。

ハウスメーカーや工務店などの営業担当者とよく話し合い、信頼できる施工業者を選びましょう。

5. 作りにくい間取りはある

木造では、家の強度を保つために鉄骨造に比べて柱や壁が多く必要なため、ワンフロアのリビングのような大広間や大きな窓を作るのは難しいとされています。

ただし、前述したように、そのような例外を除けば比較的自由に間取りを決められるので、希望と折り合いをつけながら間取りを決定しましょう。

建築制限がある? 防火地域と準防火地域について解説!

街のなかでも駅の周辺や大きな通り沿いなどは、「防火地域」や「準防火地域」に指定されていることがあります。このような場所に家を建てる際には決まりがあるので、詳しく見ていきましょう。

防火地域・準防火地域とは?

そもそも防火地域や準防火地域とはどんな地域のことなのでしょうか。「都市計画法」第9条21項において、以下のように定められています。

防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。

防火地域やその周辺にある準防火地域は、建物などが密集するエリアで指定されていることが多いです。万が一火災が発生した際に被害が拡大しやすい場所であるため、火災を未然に防ぐ必要があります。

引用元
都市計画法 | e-Gov 法令検索

防火地域・準防火地域に木造一戸建てを建てるには?

では、防火地域・準防火地域に木造住宅を建てるにはどうすればいいのでしょうか。

実は、防火地域と準防火地域それぞれで、延べ面積や建物の階数によって規制が設けられており、守らなければなりません。

たとえば、防火地域で延べ50平方メートル以下の平屋の場合は「防火構造」、延べ100平方メートル以下の2階建ての場合は準耐火構造、面積を問わず3階建て以上の場合は耐火構造にするなどです。

引用元
防火地域等における建築物の規制【法第22条】【法第61条】【法第62条】|総務省消防庁
建築基準法制度概要集|国土交通省

防火地域・準防火地域に関する詳細や注意点について詳しく知りたい方は、アドキャストが運営する以下のYouTubeでも解説しているので、併せてぜひご覧ください。

また、火災保険料に関して気になる方は、以下のYouTubeを参考にしてください。

鉄骨造のメリットと注意点とは?

鉄骨造のメリットと注意点とは?

ここで、木造と比較した際の鉄骨造のメリットと注意点もチェックしましょう。

鉄骨造のメリットとは?

鉄骨造の場合、主要な部分が丈夫な鉄材のため、建物を支える柱や壁を減らせるというメリットがあります。そのため、吹き抜けや広々としたリビングを設けられる、大きな窓を設置できるなど、開放感のある家を作りやすいでしょう。

また、木造に比べて耐用年数が長く耐久性があります。さらに、天然素材の木材とは対照的に鉄は安定した物質であり、組み立ての際も規格化されていて職人の腕の差を受けにくいため、品質にばらつきが出にくいこともメリットです。

鉄骨造の注意点とは?

一方、鉄骨造の注意点として、木造よりコストが高めであることが挙げられます。材料費が高いことと、工期が長くなりやすいことが理由です。また、鉄骨造住宅の施工を行っている業者は、大手ハウスメーカーなどある程度規模が大きいところに限られます。

木造より気密性や断熱性が低めであり、構造や性能などを工夫して対策を行わなければなりません。地盤が弱い土地では地盤強化が必要なケースもあり、その分のコストもかかってしまいます。

木造住宅は古くからある日本の風土に合った建築物

木造建築は、日本で昔から採用されてきた建て方であり、日本人にはなじみ深いものです。木の性質により気密性や断熱性といった性能も高く、自然素材である木を使用した一戸建てにあこがれる方は少なくありません。

しかし、一方で、害虫の問題や防音性など気になる点もあります。建築時の工夫や適切なメンテナンスによって対策は可能なので、施工業者ともよく相談しながら、長く住み続けられるような理想の家を建てましょう。

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