長期優良物件とはどんな住宅?メリットとデメリットや認定基準を解説

長期優良物件とはどんな住宅?メリットとデメリットや認定基準を解説
この記事のポイント
  • 長期優良住宅について知ることができる
  • メリットとデメリットを押さえられる
  • 適切なメンテナンスを行うことで世代を越えて住み続けられる

「念願のマイホーム」という言葉があるように、家の購入は、人生の中でも最も大きな買い物のひとつと言えるでしょう。そんな家をせっかく購入するのであれば、長く住み続けることができる住宅のほうがいい、と考えますよね。

長く住み続けられる住宅の目安の一つに、「長期優良物件」の認定があります。しかし、長期優良物件とはどういったものなのか、よく知らないという方もいることでしょう。

そこで今回は、長期優良物件に焦点を当て、長期優良物件とはどういったものなのか、認定を受けるとどんなメリットがあるのかなどを開設します。

長期優良住宅とは?

はじめに、長期優良住宅とはどんな住宅のことなのか、概要を見ていきましょう。

長期優良住宅とは、国土交通省のHPによると、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置を講じた優良な住宅」と定義されています。「長期優良住宅の建築及び維持保全の計画」を作成して所管行政庁に申請し、条件を満たしていると認定を受けることができます。

この条件には、住宅の面積も含まれており、住宅の規模が国土交通省令で定める規模以上でなければいけません。「国土交通省令で定める規模」については、以下の通りです。

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行規則」(平成21年国土交通省令第3号。以下「施行規則」という。)第4条に規定されています。

  • 少なくとも1の階の床面積が40㎡以上であり(階段部分を除く)、かつ床面積の合計が75㎡以上(戸建て住宅の場合。共同住宅等においては、55㎡以上)であること
  • ただし、所管行政庁において地域の実情を勘案して床面積の合計が55㎡以上(戸建て住宅の場合。共同住宅等においては40㎡以上)となる範囲で別途定めることができるとされている。

参考元
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定精度の技術基準の概要について

ここでポイントになるのは、計画を作成した時点で申請をする必要がある、ということです。計画を作成した時点というのは、まだ着工に入ってはいません。住宅が完成したり、着工に入ったりした後の申請では遅いため、注意しましょう。

長期優良住宅の認定を受ける5つのメリット

長期優良住宅の認定を受ける5つのメリット

長期優良住宅の認定を受けるには、事前に計画を作成しなければなりません。しかし、入念な準備をして無事認定を受けられると、いくつかのメリットを得ることができます。代表的な5つのメリットを見ていきましょう。

1.さまざまな減税措置が受けられる

長期優良住宅に限らず、一戸建てやマンションなど、住宅を購入する際には不動産取得税や登録免許税といった、さまざまな税金がかかります。また、購入した後も、固定資産税などが必要です。

しかし、長期優良住宅の認定を受けると、こういった税金の減税・控除を受けることができるようになります。

たとえば固定資産税の場合、新築の一戸建てでは1/2に減税される適用期間が3年間ありますが、長期優良住宅では5年間に延長されます。

引用元
国土交通省|認定長期優良住宅に対する税の特例(所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税)

2.住宅ローンの金利が引き下げられる

税金だけでなく、住宅ローンの金利面でも優遇されることがあります。

たとえば、全国で300以上の民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、「フラット35」という住宅ローンでは、長期優良住宅の場合、当初5年間はプランによって0.25~0.75%の金利の引き下げを受けることが可能です。

また、長期優良住宅だけが利用することができる、最長50年の全期間固定金利型ローン「フラット50」というローンも。「フラット50」では、万が一ローン返済中に物件を売却することになった場合も、物件の買主さまにローンの債務を引き継ぐことができる金利引継特約があるなどの優遇を受けられるといったメリットがあります。

引用元
長期固定金利住宅ローン 【フラット35】|【フラット35】S
長期固定金利住宅ローン 【フラット35】|【フラット50】ご利用条件

3.地震保険料が割引される

支払い面の優遇は、減税やローンの金利だけではありません。住居には欠かせない地震保険料も、割引がされるといったメリットがあります。長期優良住宅と認定される条件の一つに耐震性があるため、万が一大きな地震があっても、被害が軽く済むと考えられるためです。

長期優良住宅と認定された資料を損害保険会社に提出することで、地震保険料の割引を受けられます。

4.地域型住宅グリーン化事業の補助金制度を利用できる

支払いが優遇されるだけでなく、長期優良住宅だからこそ利用できる補助金制度もあります。たとえば、国土交通省の支援事業である、地域型住宅グリーン化事業です。

地域の中小工務店等が整備する木造の長期優良住宅について、住宅1戸当たりにつき最大で140万円の補助金を受給できる、という制度です。

引用元
国土交通省|令和5年度 地域型住宅グリーン化事業(認定長期優良住宅、ZEH・Nearly ZEH、認定低炭素住宅

5.安全で快適な住宅に長く住み続けることができる

長期優良住宅に住むにあたって最大のメリットと言えるのは、安全で快適な住宅に、長く住み続けることができる、ということではないでしょうか。

長期優良住宅は、耐震性が高く、断熱性にすぐれた省エネ住宅。建物自体への負荷も低く、メンテナンスや改修も容易なため、安全で快適な住宅に世代を越えて長く住み続けることができます。

長期優良住宅の注意点

さまざまなメリットがある長期優良住宅ですが、いくつかの気をつけなければならないポイントもあります。長期優良住宅の注意点について見ていきましょう。

建築コストや申請費用がかかる

長期優良住宅と認定されるためには、定められた基準を満たさなければなりません。基準については後ほど紹介しますが、建材などが通常の住宅よりも高くなってしまいます。また、所定の手続きを経て申請しなければならず、申請書や添付する資料、書類が必要なため、手続きに手間が必要です。

さらに、書類の作成や申請の代行を不動産会社や建築会社、行政書士などの専門家に依頼する場合には、その分の費用もかかります。

ただ家を購入するだけの費用が用意できれば良い、というわけにはいかない点に注意しましょう。

認定後の設計変更にも手続きが必要

長期優良住宅の申請と認定は、着工前の建築計画を作成する段階で行わなければなりません。しかし、無事に長期優良住宅の認定を受けた後、なんらかの理由で設計を変更する必要が出てくることもあるでしょう。

そういった時には、計画変更の手続きが必要です。

たとえば東京都では、「認定を受けた長期優良住宅建築等計画の変更をするときは、当該変更に係る工事(以下「変更工事」と言います。)の着手前に所管行政庁へ申請する必要があります。」とされています。

引用元
東京都住宅政策本部|認定を受けた住宅について計画の変更申請をする場合

変更申請では変更に関わる書類を作成して提出しなければならず、申請手数料などの費用も必要です。

軽微な変更の場合は申請でなく報告で良い場合もありますので、もしも設計変更をする場合は、所管行政庁の受付窓口で相談してみてください。

着工までの期間が長くなりやすい

何度かお伝えしたように、長期優良住宅の申請・認定は、着工前に行わなければなりません。申請をしてから所管行政庁の審査が入り、認定を受けるまで着工することができないので、工期が長くなりやすい点にも注意しましょう。

定期的なメンテナンスが必要

長期優良住宅は、長く安全に住み続けるために、定期的なメンテナンスを行う必要があります。このメンテナンスは、申請時に「維持保全計画」を作成して提出し、この計画に沿って行わなければなりません。

30年以上にわたり良好な状態で住宅を使用するため、特に「構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分又は給水又は排水のための配管設備」には、10年以内ごとの点検が必要です。

点検・改修・維持といったメンテナンス費用は、場合によってはまとまった金額が必要になることもあるため、資金計画を立てておきましょう。

引用元
e-Gov法令検索|長期優良住宅の普及の促進に関する法律

新築の長期優良住宅の認定基準

新築の長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅の認定を受けるためには、定められている基準を満たさなければなりません。ここからは、どのような基準があるのかを解説します。

なお、長期優良住宅はマンションでも認定を受けることができますが、一戸建てとは一部基準が異なります。そのため、ここでは一戸建ての基準について見ていきましょう。

劣化対策

一つ目の基準は、劣化対策です。数世代にわたり、住宅の構造躯体が使用できるかどうかに加え、構造の種類によっていくつかの基準があります。

たとえば、木造住宅なら、床下空間の有効高さが確保されているか、小屋裏に点検口が設置されているかといったポイントを審査されます。

耐震性

二つ目は、耐震性です。「住宅を継続利用するための改修が容易化されるよう、地震による損傷の低減を図ること」とされています。

地盤を調べ、固い地盤までしっかりと土台・基礎が届いているかといったことから、屋根の軽さまで幅広い審査対象があり、耐震性能が高く、地震の振動に耐えられるかどうかが認定基準です。

維持管理・更新の容易性

設備や配管の点検や修理など、維持管理が容易に行えるかどうかも大切なポイント。コンクリート内に配管が埋め込まれていないことや、排水管の清掃措置・掃除口の点検措置が取られていることなどが認定基準です。

省エネルギー性

安全性やメンテナンスの容易さだけでなく、省エネルギー性能が確保されているかどうかも審査の対象になります。天井・壁・床などに断熱性の高い素材を利用し、冷暖房の負荷を軽減することができるかどうかなどが認定基準です。

その他の項目

家の構造以外にも、認定基準があります。たとえば、居住環境の維持及び向上に配慮されているかや、災害時の被害発生防止又は軽減の配慮がされているか、維持保全計画が策定されているかなどです。

これらの認定基準は、国土交通省のホームページで詳しく紹介されているため、一度確認してみてください。

国土交通省|長期優良住宅認定制度の技術基準の概要について

長期優良住宅を建てる際のポイント

最後に、長期優良住宅を建てる際のポイントについて見ていきましょう。

建築実績の多いハウスメーカーを選ぼう

長期優良住宅を建てる際には、ハウスメーカーや建築会社の選定が大切です。業者によっては、そもそも長期優良住宅の対応をしていないこともあるからです。

長期優良住宅の実績がある業者を選ぶことで、手続きがスムーズだったり相談にのってもらえたりするでしょう。

費用対効果をよく検討しよう

減税や控除を受けられ、長く住み続けられる住宅を建てることができますが、その分コストも必要です。ライフプランや資金計画も考慮して、費用対効果をしっかりと検討しましょう。

長期優良住宅は長く住み続けられる資産価値の高い住宅

長期優良住宅は長く住み続けられる資産価値の高い住宅

長期優良住宅は、国の定める基準を満たした住宅で、快適で安全に長く住み続けられる住宅です。

長期優良住宅に認定されるためには、着工前から建築計画を作成し、申請手続きの手間や申請手数料といった費用が必要になります。しかし、減税やローン金利の引き下げ、地震保険料の割引などの優遇を受けられ、なにより世代を越えて長く住み続けられる住宅を手に入れることができるでしょう。

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