- マンションを売るつもりで買うのはメリットがある一方で注意点もある
- 売りやすい物件選びのポイントがわかる
- 高く売るためには物件選びだけでなく売り方も大事
マンションを売るつもりで買う人は少なくありません。売ることを前提に物件を選ぶと、多くのメリットもあります。そこで、どのようなメリットがあるのかを押さえましょう。また、メリットばかりではなく注意点もあるので、知っておくことが大切です。
売るつもりで買う際のマンション選びのコツや、少しでも高く売却するためのポイントも解説します。マンション購入に興味がある人は、ぜひ最後まで目を通してください。
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マンションを売るつもりで買う4つのメリットとは?
はじめに、将来的に売却することを視野に入れた上でマンションを購入することのメリットを見ていきましょう。
1. ライフスタイルの変化に対応しやすい
マンションを購入したらずっとそこに住み続けなければならないと考えてしまう人は多いですが、そんなことはありません。はじめから売ることも視野に入れて買うと、転勤・転職・結婚・出産など、ライフスタイルに変化があった際にも住み替えしやすいです。
ポイントは、売れる物件を選ぶこと。物件選びのコツは後述するので、ぜひあわせてご覧ください。
2. 新築・築浅の場合は高額売却も可能に
地価の変動を除き、マンションの価値は年数とともに下がっていくことが一般的です。つまり、新築や築浅であればあるほど、高額で売却しやすくなります。
マンションを購入して間もないうちにやむを得ず手放さなければならなくなった場合は、少しでも早いうちに買い手を探し始めましょう。欲しがる相手が多ければ多いほど、売主さまの立場が高くなり、売却価格も上がりやすいです。
3. 自分の好きなタイミングで売却できる
1や2とも関連しますが、持ち家のマンションであれば、市場の需要や状況、自身の状況などを考慮して、自分の好きなタイミングで売却できることもメリット。売却を想定して購入すれば、将来的に売りに出す可能性を頭に入れておくことができます。
物件によっては購入時より高く売れることもあり、売却益を狙ってはじめから転売目的でマンションを購入する投資家もいるほどです。
4. 資産として所有し続けることもできる
当然のことながら、マンションを売却せずに資産として残すのも問題ありません。仮にマンションが不要になった場合、売るのではなく賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得る方法もあります。また、将来子どもなどに遺産として相続させることも可能です。
マンションを売るつもりで買う時の4つの注意点とは?
つづいては、マンションを売るつもりで買う時の注意点を解説します。
1. ローンが残っていると売却できないことがある
基本的に、住宅ローンが残っている間は売却できません。ローンがあると、金融機関がローンの担保である抵当権を外してくれないためです。
ただし、現自宅から新居へ住み替える際は、現自宅が売れていなくても残債よりも売却金額が上回る場合、もしくは売却価格に預貯金などの自己資金を足した金額が住宅ローン残債を上回る場合であれば、新しく住宅ローンの借り入れを行い、新居へ引渡しした後に売却することができます。
マンションの売却を考える際には、住宅ローンがどのくらい残っているのかを確認しておきましょう。
2. 購入後すぐに売却すると税金が高い
マンションを売却する際には、譲渡所得税・住民税・印紙税といった税金が必要です。譲渡所得税や住民税は所有から5年を境に税率が異なり、購入後すぐに売却すると高くなります。
- 短期譲渡:39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
- 長期譲渡:20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
※復興税(復興特別所得税)含む
上記のように5年を超えると大幅に下がるので、税金を考慮して売却するなら、5年以上経ってからがおすすめです。
3. 売却にはある程度の時間がかかる
マンションを売るつもりで買うと、自分の希望するタイミングで売ることができる反面、売却にはある程度の時間・日数がかかることを知っておかなければなりません。マンションを売却する際の流れを前もって確認し、余裕を持って動くことが必要です。
マンション売却の流れとは?
マンションの売却は下記のような流れで行われます。
- 売却の準備
- 不動産会社に査定依頼
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 販売活動スタート
- 条件交渉~売買契約を行う
- 物件の引き渡し・決済
- 確定申告をする
おおむね3~6ヶ月程度かかりますが、あくまでも一般的な目安であり、場合によっては1年前後かかることもあるので、頭に入れておきましょう。
4. 売却理由を買主にちゃんと伝える
マンションを購入したのち早い段階で売却を行うと、なぜそんなにすぐに売りに出したのか、何か問題があるのかと気になる買主さまも多くいます。あいまいな返答をせず、売却理由をきちんと伝えて買い主さまに安心してもらうことが大切です。
ただし、マイナスの理由の場合は伝え方が重要なため、うまく伝えられる自信がない場合は不動産会社に相談すると良いでしょう。
どんなマンションがおすすめ? 物件選びの4つのポイント
ここからは、売るつもりで買うならどんなマンションがいいのか、物件を選ぶ際のコツを紹介します。
1. 立地が良く利便性が高い|エリアの将来性
物件の立地や利便性は、非常に重要なポイントです。具体的には下記のような点をチェックしましょう。
要素 | ポイント |
---|---|
街の機能 | スーパー・商業施設・医療機関・学校などが周辺にあるか |
安全性 | 災害の危険性(地震や水害などのリスク)や 治安面での不安(暴力団関連施設の存在・事件の多発など)がないかどうか |
アクセス | 通勤・通学しやすいか、バス停や駅が近くにあるなど 公共交通機関を利用しやすいか |
環境 | 周囲に自然があるか、公園などの設備があるか |
また、将来的に価値が上がるエリアであるかどうかも確認しておきましょう。新しい駅や大型商業施設ができる予定があるなどのエリアは、人気が出やすく需要の高まりに期待できます。
2. マンションの品質が高い|築年数が浅め
マンション自体の品質の良さも重要です。以下のような点をチェックして選びましょう。
- ブランド価値の高いマンションか
- 断熱性や耐震性が強いか
- 設備が充実しているか
- 防犯対策が行われているか など
なお、物件の品質を第三者が保証する「住宅性能表示制度」というものがあり、住宅性能評価書が付いている物件であれば、等級によって品質のレベルを判定できます。
また、前述したようにマンションの価値は年数とともに下がるため、築年数もポイントです。売却のことを考えるなら、築浅物件のほうが良い場合もあるでしょう。
3. 耐用年数が長い
耐用年数とは、計算上で資産価値がなくなるまでの年数のことをいいます。マンション購入時に、構造に応じた耐用年数の長さもチェックしておくと安心です。
構造 | 耐用年数(住宅用) |
---|---|
木造・合成樹脂造 | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 ・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが造・石造 ・ブロック造 | 38年 |
金属造 3mm以下 | 19年 |
金属造 3mm超~4mm以下 | 27年 |
金属造 4mm超 | 34年 |
4. 管理が行き届いている
マンション管理会社による管理が行き届いているかも、事前にしっかりチェックしましょう。具体的なポイントには以下のような点があります。
- 外観が美しい状態であるか
- エントランス・階段・エレベーターなどの共有部分の清掃や点検は行き届いているか
- 住民向けの掲示板に色褪せた掲示物などが残っておらず、新しい情報が貼られているか など
マンションの資産価値を保つ上でも、管理状態は重要です。信頼できるところを選びましょう。
できるだけ高く売るための2つのポイントとは?
最後に、売るつもりで買ったマンションをできるだけ高く売るためにはどうすればいいのかを解説します。売却時の参考として押さえてください。
1. 見積もりは複数の業者に依頼する
まず、見積もりの際は一社ではなく、複数の業者に依頼することが大切です。同じ物件であっても、査定額は不動産会社によってまちまちであり、数百万円ほどの差が出ることもあります。査定によって業者の姿勢が見えるほか、業者ごとに得意不得意があるため、さまざまな面から比較検討することも重要です。
また、業者任せにせず自身でも売却の相場を調べておきましょう。相場と査定額の差は、不動産会社が悪質であるかどうかの判断材料にもなります。ただし、相場より高すぎる場合はあとあと値下げを要求されることもあるので注意してください。
2. 売却のタイミングを見極める
注意点の章で述べたように、売却の際はタイミングを見計らわなければなりません。おすすめは築6~10年以内。税率も下がり、成約率も比較的高い傾向があります。
また、月単位で考えるには、人の移動が多い4月に合わせて内覧希望者が増える10月から2月までには売り出すのが良いでしょう。
売るつもりで買う時には物件選びが重要!
マンションを売るつもりで買うと、ライフスタイルに応じて好きな時に売却でき、場合によっては購入時より価格が上がる可能性もあるといったメリットがあります。ただし、税金面や売れるまでの期間などの注意点もあるので、頭に入れておきましょう。
また、売るつもりで買う時には物件選びが重要なので、悔いのないよう購入前に各ポイントをしっかりチェックしてください。