住宅購入時にもらえる補助金にはどんなものがある? 忘れず利用したい減税制度を紹介

住宅購入時にもらえる補助金にはどんなものがある? 忘れず利用したい減税制度を紹介
この記事のポイント
  • 住宅購入時にもらえる主な補助金を知ることができる
  • 減税制度を利用することで、補助金と併せて費用を抑えられる
  • 購入前にどんな補助金や制度が利用できるかを前もって調べておくのがおすすめ

住宅を購入する際には、住宅そのものの価格はもちろん、手数料や税金、その他にもさまざまな費用がかかるため、高額の予算が必要です。そのため、住宅を購入したいと考えてはいるものの、費用に不安や悩みがあるという方もいるのではないでしょうか。

住宅の購入時には、補助金が利用できるケースがあります。補助金とは、国や自治体が設定した政策の目標に合わせて募集している制度で、条件を満たすことで資金の一部が支給されます。

今回は、住宅購入時に利用できる補助金を紹介し、減税につながる制度も紹介します。

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住宅購入時にもらえる補助金にはどんなものがある?

補助金制度はさまざまな省庁や自治体が行っており、制度によって利用できる条件や金額が異なります。ここでは4つ、住宅購入時に利用できる補助金の例を紹介します。

1. 子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業は、子育て世代や若い世代が省エネ性能の高い住宅の購入する時や、住宅の省エネ化のための改修時などに対して費用を支援する制度です。

対象となる世帯の詳細は、以下の通りです。

子育て世帯申請時点において、子を有する世帯。
子とは令和5年4月1日時点で 18 歳未満(すなわち、平 成17(2005)年4月2日以降出生)とする。ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合においては、令和4年4月1 日時点で 18 歳未満(すなわち、平成16(2004)年4月2日以降出生)の子とする。
若者夫婦世帯申請時点において夫婦であり、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳 以下(すなわち、昭和58(1983)年4月2日以降出生)である世帯。ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合におい ては、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下(すなわち、昭和57(1982)年4月2日以降出生)の世帯とする。

子育て世帯・若者夫婦世帯の住宅を省エネ化する支援を行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図るための事業です。

引用元
子育てエコホーム支援事業事務局|事業概要

補助金額

補助対象となるケースは、以下の通りです。

補助対象事業対象者
注文住宅の新築建築主
新築分譲住宅の購入購入者
リフォーム工事発注者

表からわかるように、新たに注文住宅を建築・分譲住宅を購入の、どの住宅を取得するケースでも補助対象となります。また、既に取得している住宅のリフォームも補助対象です。

また、受けられる補助金額は以下の通りです。

注文住宅の新築新築分譲住宅の購入長期優良住宅:1住戸につき100万円
ZEH住宅: 1住戸につき80万円
リフォーム子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円/戸
その他の世帯: 上限20万円/戸
※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は、上限60万円/戸
※長期優良リフォームを行う場合は、
・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円/戸
・その他の世帯:上限30万円/戸

引用元
子育てエコホーム支援事業事務局|事業概要

申し込み方法

新築・購入・リフォームのいずれの場合であっても、まずは公表されているエコホーム支援事業の登録事業者に問い合わせを行います。施主や購入者、工事発注者が個人で申請することはできないので、注意しましょう。

工事に着工して一定以上の出来高工事、またはリフォームの場合は工事の完了・物件の引き渡しまで完了したら、事業者が事務局へ交付申請を行います。

その後審査を経て交付決定が確定すると、交付決定と振込のお知らせが届き、補助金が支給されれば完了です。

引用元
子育てエコホーム支援事業事務局|申請手続きの詳細【注文住宅の新築】
子育てエコホーム支援事業事務局|申請手続きの詳細【新築分譲住宅の購入】
子育てエコホーム支援事業事務局|申請手続きの詳細【リフォーム】

2. ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)ZEH補助事業

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、断熱性能が大幅に向上した外装と、効率的な設備・システムを導入し、室内環境の質を維持しつつも大幅な省エネを実現(省エネ基準比20%以上)した上で再エネを導入して、年間の一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指した住宅のことです。

ZEH支援事業の中で二つのプランに分かれており、詳細は以下の通りです。

ZEHZEH+
申請対象者・新築住宅を建築・購入する個人
・新築住宅の販売者となる法人
・新築住宅を建築
・購入する個人
・新築住宅の販売者となる法人
対象となる住宅・『ZEH』
・Nearly ZEH
(寒冷地、低日射地域、
多雪地域に限る)
・ZEH Oriented
(都市部狭小地の二階建以上
及び多雪地域に限る)
・『ZEH+』
・Nearly ZEH+
(寒冷地、低日射地域、
多雪地域に限る)
交付要件の主なポイント①戸建住宅における
『ZEH』の定義を満たしていること
②SIIに登録されている
ZEHビルダー/プランナーが
関与(建築、設計又は販売)する
住宅であること
①戸建住宅における『ZEH』の定義を満たし、
かつ、以下のⅠとⅡを満たすこと
Ⅰ.更なる省エネルギーの実現
(省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量削減)
Ⅱ.以下の再生可能エネルギーの自家消費拡大措置のうち
2つ以上を導入すること
1.外皮性能の更なる強化
2.高度エネルギーマネジメント
3.電気自動車(PHV車を含む)を活用した
自家消費の拡大措置のための充電設備
又は充放電設備 
②SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーが
関与(建築、設計又は販売)する住宅であること

ZEHのそれぞれの定義について、詳しくはパンフレットをご確認ください。

引用元
一般社団法人 環境共創イニシアチブ|ZEH補助金について

補助金額

ZEH補助金は、ZEHで55万円/戸、ZEH+で100万円/戸の補助額が支給されます。加えて、以下の条件を満たすことで加算されて支給される金額があります。

  • 補助対象住宅に蓄電システム(定置型)を導入する場合は2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額を加算
  • 直交集成板(CLT)、地中熱ヒートポンプ・システム、PVTシステム、液体集熱式太陽熱利用システム等を導入する場合、補助額を加算

引用元
一般社団法人 環境共創イニシアチブ|ZEH補助金について

申し込み方法

ZEH補助金の申請は、SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーによって行われるため、建築・購入をする事業者に相談してみてください。

なお、一次公募・二次公募については受付を終了しており、2024年3月現在では応募受付を行っておりません。

下記の日程で新規取り組み公募が開始されますので、こちらも事業者に相談してみてください。

公募期間:2023年4月28日(金)10:00 ~ 2023年9月1日(金) 17:00締切

引用元
一般社団法人 環境共創イニシアチブ|ZEH支援事業 公募情報(【環境省戸建ZEH】令和5年度 環境省によるZEH補助金)

3. 地域型住宅グリーン化事業

地域型住宅グリーン化事業は、地域における資材供給、設計、施工などの連携体制による良質な木造住宅の整備に対して支援する「地域型住宅グリーン化事業」を拡充し、地域の中小工務店等による長期優良住宅等の整備と、それと併せて行う三世代同居対応工事への支援を行う制度です。

「地域における」とあるように、同一地域内における建材業者や施工業者を利用した住宅であることが条件に挙げられます。

住宅の建築主・購入者ではなく、施工会社に支給される補助金であることを認識しておきましょう。

地域型住宅グリーン化事業の補助対象となる住宅タイプは、以下の2通りです。

住宅の性能
長寿命型 認定長期優良住宅
ゼロ・エネルギー住宅型ZEH、Nearly ZEH、
ZEH Oriented、
認定低炭素住宅

引用元
地域型住宅グリーン化事業(評価)|地域型住宅グリーン化事業 グループ募集要領

補助金額

地域型住宅グリーン化事業で受けられる補助金額は、「こどもエコすまい支援事業(こどもエコ活用タイプ」と、令和 4 年度まで実施してきた補助方法(通常タイプ)の2種類があり、その中からいずれかの物件ごとによって異なります

「こどもエコ活用タイプ」では、長寿命型で105~135万円、ゼロ・エネルギー住宅型では105~140万円の補助金が支給されます。

一方、「通常タイプ」では、長寿命型で70~105万円、ゼロ・エネルギー住宅型で70~110万円です。

引用元
地域型住宅グリーン化事業(評価)|地域型住宅グリーン化事業 グループ募集要領

申し込み方法

補助金の利用を申し込むには、地域型住宅グリーン化事業評価事務局へ交付申請を行います。ただし、申請手続きは施主・購入者ではなく、各施工業者によって行われるため、一度事業者に相談してみてください。

4. LCCM住宅整備推進事業

LCCM住宅整備推進事業は、先導的な脱炭素化住宅であるLCCM住宅の整備に対して支援を行うための制度です。LCCM住宅とは、前述で紹介したZEHよりもさらに省CO2化を進めた脱炭素化住宅で、建設時のCO2排出量も含めて生活を通じたCO2の収支をマイナスにするための住宅です。

この制度の補助対象となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1.  戸建住宅の新築とします。
  2.  強化外皮基準(1~8地域の平成 28 年省エネルギー基準(ηAC値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1、2地域:0.4[W/㎡K]以下、3地域:0.5[W/㎡K]以下、4~7地域:0.6[W/㎡K]以下)。
  3.  再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量(「その他一次エネルギー消費量」は除く)から 25%以上の一次エネルギー消費量削減。
  4. ④再生可能エネルギーを導入(容量不問)。
  5.  再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量(「その他一次エネルギー消費量」は除く)から 100%以上の一次エネルギー消費量削減。再生可能エネルギーの固定価格買取制度において全量買取を選択する太陽光発電設備は、その発電量の全てを本事業の一次エネルギー消費量の評価に含めることはできません。
  6.  以下のいずれかの方法で、LCCO2を算定し、結果が0以下となるもの。
    • CASBEE-戸建(新築)2018 年版、2021 年 SDGs 対応版(又は 2020 年 SDGs 試行版)
    • LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール
  7.  住宅の品質について、CASBEEのB+ランクまたは同等以上の性能を有するもの(長期優良住宅認定など)。
  8. 交付決定を受けた年度に事業着手するもの。
  9. 住宅の立地が「土砂災害特別警戒区域※」に該当しないこと。

引用元
LCCM住宅整備推進事業実施支援室|令和5年度(第1回)LCCM住宅整備推進事業募集要領

補助金額

LCCM住宅整備推進事業の補助金額は、設計費と建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用の合計額の1/2以内かつ、1戸あたり140万円以内を限度としています。

引用元
LCCM住宅整備推進事業実施支援室|令和5年度(第1回)LCCM住宅整備推進事業募集要領

申し込み方法

LCCM住宅整備推進事業は、工事の施工業者が申請作業を行うため、施主・購入者は直接申し込むことはありません。施工を行う工務店や事業者に相談してみてください。

この補助金は、交付申請を行った後、審査を通って交付通知が来てから着工に入らなければなりません。また、物件の引き渡し後に完了報告を行ってから補助額が確定して入金されるため、引き渡し時には全額支払う必要があることに注意しましょう。

5. 給湯省エネ2024事業

給湯省エネ2024事業は、一定の性能を満たす効率の高い給湯器の導入が対象です。この補助金は新築住宅の建築だけでなく、中古住宅を購入して給湯器を交換する際にも、条件を満たせば支給されます。

給湯器の購入・工事タイプとリース利用タイプで、申請要件が異なります。

【購入・工事タイプ】

住宅の所有者等・住宅を所有する個人またはその家族
・住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
・賃借人・共同住宅等の管理組合・管理組合法人
高効率給湯器の導入法①新築注文住宅に、対象機器を購入し、設置する方法
【工事請負契約】
②対象機器が設置された新築分譲住宅(戸建または共同住宅等)を購入する方法
【不動産売買契約】
③リフォーム時に、対象機器を購入し、設置する方法
【工事請負契約】
④既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする
既存住宅(戸建または共同住宅等)を、購入する方法
【不動産売買契約】
共同事業者が個人かつ、対象機器の導入に係る契約を
2024年4月16日以降に締結した場合
(a)事務局が指定するJークレジット事業実施団体に入会予定
(b)地方公共団体・民間団体等が管理するプログラムに入会予定・入会済み

引用元
給湯省エネ2024事業【公式】|対象要件の詳細【購入・工事タイプ】

【リース利用タイプ】

住宅の所有者等・住宅を所有する個人またはその家族
・住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
・賃借人
・共同住宅等の管理組合
・管理組合法人
高効率給湯器の導入法①新築注文住宅に、建築主が対象機器をリースにより設置する方法
②建築中の分譲住宅(戸建)に対して、住宅購入者が対象機器をリースにより設置する方法
③建築中の分譲住宅(共同住宅等)に対して、管理組合等が対象機器をリースにより設置する方法
④既存住宅(戸建または共同住宅等)のリフォーム時に、住宅所有者等が対象機器をリースにより設置する方法
共同事業者が個人かつ、対象機器の導入に係る契約を
2024年4月16日以降に締結した場合
(a)事務局が指定するJークレジット事業実施団体に入会予定
(b)地方公共団体・民間団体等が管理するプログラムに入会予定・入会済み
リース期間6年以上のリース期間が設定されているもの

引用元
給湯省エネ2024事業【公式】||対象要件の詳細【リース利用タイプ】

補助金額

性能を満たしている場合の加算額と、給湯器の設置にあわせた撤去工事を行う場合の加算額があります。

この制度では、給湯器の種類に応じ1台あたり8~18万円の基本額、さらに一定の性能を満たしている場合は1台あたり2~5万円の加算額の補助金が支給されます。

また、条件を満たす給湯器の設置に合わせて既に設置されている給湯器の撤去工事を行う際に、電気蓄熱暖房機の撤去で10万円/台、電気温水器の撤去で5万円/台が加算されます。

引用元
給湯省エネ2024事業【公式】|対象要件の詳細【購入・工事タイプ】
給湯省エネ2024事業【公式】||対象要件の詳細【リース利用タイプ】

申し込み方法

購入・工事タイプ、利用タイプのどちらの制度の利用でも、消費者が自ら申請することはできません。建築事業者・施工業者やリース事業者が申請手続きを行うため、まずは利用事業者に問い合わせてみてください。

住宅購入時に忘れず利用したい減税制度とは?

住宅購入時に忘れず利用したい減税制度とは?

住宅購入時には、さまざまな税金もかかりますが、減税制度を利用すれば税負担の軽減がされることがあります。

ここからは、補助金と併せて利用したい減税制度を見ていきましょう。

1. 住宅ローン控除

住宅ローンを購入する際、ほとんどの方は住宅ローンを利用するのではないでしょうか。住宅ローン控除は、住宅の新築・購入・増改築などを行った際、住宅ローンの年末残高の合計額を基準にした額を、所得税額から控除できる制度です。

引用元
国税庁|No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
国土交通省|住宅ローン減税

控除額

住宅ローンの控除額は、全期間で一律0.7%とされています。例えば、住宅ローンの年末残高が1,000万円だった場合、0.7%の7万円が還付される計算です。

借入限度額や控除期間は区分によって異なり、控除を受けられる所得要件もありますので、詳しくは税務署などでご相談ください。

国税庁|No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

2. 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

贈与税は、祖父母や両親などから資産を贈与された際にかかる税金です。通常は110万円を越える贈与を受ける際、越えた額に応じた税金を納めなければいけませんが、贈与税の非課税措置の制度を利用すれば、一般住宅で500万円、省エネ等で質の高い住宅で1,000万円までの金額が非課税になります。

引用元
国税庁|No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
国土交通省|住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

3. 不動産取得税の軽減

不動産取得税とは、土地や建物の購入など、不動産を取得した際に評価額に応じてかかる税金です。通常の税率は4%ですが、現在は土地と住宅について、3%が適用されています。

さらに、住宅を新築した場合は課税標準から1,200万円、中古住宅を取得した場合は課税標準から新築時における控除額と同額が控除されます。

引用元
国土交通省|住宅:不動産取得税に係る特例措置

住宅を購入する前にどんな補助金や減税制度が利用できるか調べておこう

住宅の購入時には、物件取得費用をはじめ、税金などさまざまな費用がかかるため、多額の資金が必要です。住宅購入の費用準備に悩まされてしまう方もいることでしょうが、補助金や税金制度をうまく活用すれば、購入にかかる費用を抑えられるかもしれません。

住宅の購入に利用できる補助金や減税制度はいくつかありますので、前もってどんな補助金や減税制度が利用できるか、調べておくのがおすすめです。申請してから支給まで長期間必要なものもありますので、早めに行動しておきましょう。

補助金の中には、個人では申請できず、施工業者や不動産取引業者が申請するものもあります。不安な場合は担当の方に相談するのも良いでしょう。アドキャストでは補助金や減税制度の利用について、ご相談も承っております。

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