マンションと一戸建てで維持費が高いのはどちら? 維持費を抑えるポイントとは

マンションと一戸建てで維持費が高いのはどちら? 維持費を抑えるポイントとは
この記事のポイント
  • マンションと一戸建てではマンションの方が維持費が高い
  • それぞれに係る維持費の内訳が分かる
  • 家選びの指針の一つとして参考にし、自分に合った家を選ぼう

一戸建てとマンションのどちらにするか迷っている人のなかには、住んでからかかる費用の差が気になるという人もいることでしょう。実際、マンションと一戸建てで共通してかかる維持費もありますが、マンションだけにかかる費用や一戸建てだけにかかる費用もあります。

本記事では、マンションと一戸建ての維持費について、その内訳と10年・20年・30年ごとのシミュレーションした金額を紹介します。長く住んだ場合にどのくらい差がつくのか、ぜひ確認し、住宅購入の検討材料として参考にしてください。

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マンションと一戸建てで維持費が高いのはどちら?

物件の立地や状態にもよりますが、一般的には一戸建てに比べマンションの方が維持費が高い傾向にあります。

1年間の維持費の内訳と金額の目安は下記の表の通りです。

内訳マンション一戸建て
税金12~15万円8~15万円
保険料2.7~3万円5~5.6万円
管理費1.2~2.4万円
修繕積立金1.2~2.4万円
合計38.7~66万円13~20.6万円

上記のほかにマンションでは、駐車場・駐輪場の利用を希望する場合、追加の維持費が発生します。

さらに10年、20年、30年と住んだ場合の維持費については、後ほど目安となる金額を紹介するので、そちらも合わせて参考にしてください。

マンションと一戸建てに共通してかかる維持費

マンションと一戸建てに共通してかかる維持費

住宅の種類に関係なく、マイホームを取得した場合、共通してかかる維持費は下記の3つです。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 保険料(火災保険・地震保険)

それぞれの金額の計算方法や目安について、順番に紹介します。

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地・家屋などを所有していた場合に課される税金です。基本的には市町村によって徴収されますが、東京23区は特例として都が徴収します。

税率は原則として1.4%と定められていますが、必要に応じて市町村は異なる税率を定めることも可能です。この税率をもとに、課税額は「課税標準額×税率」で算出され、課税標準額は固定資産の評価額や軽減措置の適用などによって変わります

マンション・一戸建てともに土地と建物の両方が課税対象となりますが、マンションの場合は土地を所有者で按分して課税されます。

一般的に、マンションの方が建物の資産価値が高いと評価されることが多いため、それに比例して固定資産税もマンションの方が高い傾向にあります。

年間の税額は都市計画税を含め、マンションが年間12〜15万円、一戸建ての場合は8〜15万円が目安となります。

引用元
総務省:地方税制度|固定資産税
東京都主税局:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

都市計画税

都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を実行する費用として課税される税金です。税額は「固定資産税の課税標準額×税率」で算出されます。

税率は法律による上限0.3%です。その範囲内で市町村ごとの条例により税率が決定されます。なお、課税の要否は市町村の判断によるため、地域によっては課税されない場合もあります。

引用元
総務省:地方税制度|都市計画税
東京都主税局:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

保険料|火災保険・地震保険

火災保険は、火災によって被害を受けた建物や家財の損害を補償する保険です。火災だけではなく、水災・風災・落雷などを原因とする被害もカバーしているケースも多くあります。

一方地震保険は、地震や噴火、津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失などによる被害を補償する保険です。

地震保険は単体で加入することができず、必ず火災保険とセットでの加入が必要となっています。

1年あたりの費用目安は下記の通りです。

マンション一戸建て
火災保険+地震保険27,000~30,000円50,000~56,000円
火災保険のみ8,000円前後20,000~26,000円

※東京都内・新築・建物1,500万円・家財100万円・地震保険ありの場合

上記の目安金額は契約期間を1年と想定したものですが、長期で契約することで1年あたりの保険料は安くなります

また、マンションは一戸建てに比べると一般的に耐火性・耐震性が高いため、火災保険・地震保険の保険料が安くなる傾向にあります。

マンションだけにかかる維持費

維持費のなかには、一戸建て住宅では発生しない、マンションの場合のみかかるものもあります。ここではマンション特有の維持費について紹介します。

管理費

管理費は、マンションの共用部分の管理費用として徴収されます。マンション管理人の人件費・共用部分の掃除道具の購入・共用部分の火災保険と地震保険の保険料など、日々のメンテナンスや管理のための費用です。

月額1~2万円ほどが目安ですが、マンション内の共用設備が充実していたりコンシェルジュが常駐したりしている場合などは、この金額より高くなるケースもあります。

修繕積立金

修繕積立金は、外壁やエレベーターなど、マンション共用部分を修繕するための積立金です。

月額1〜2万円ほどで設定されていることが多いですが、大規模な修繕を行う場合は、月々の積立とは別に徴収されることもあるようです。

駐車・駐輪場代

一戸建ては敷地内に駐車や駐輪のためのスペースがあるケースが多いため費用が発生することはありませんが、マンションの場合は駐車場代や駐輪場代が別途必要となることが多いです。

料金は所在地によって異なりますが、近隣の月極駐車場の金額を参考に設定される傾向にあります。東京23区内の場合、自動車1台につき3~5万円ほどが相場のようです。

一戸建てだけにかかる維持費

一戸建てだけにかかる維持費

一戸建ての場合は、外壁や屋根の修理などの修繕費用が発生します。また、シロアリ対策が必要となるケースもあるでしょう。これらは、マンションの場合は発生しない費用となります。

外壁や屋根は、使用している建築資材の材質や耐久性にもよりますが、築10年を過ぎた頃から塗装の塗り替えや、張替えなどの修繕が必要になるケースが多いです。

マンションのような積立金はないため、修繕が必要になってから慌てないためにも、前もって準備しておくことが大切です。

ほかにも、浴室やトイレなどの水回りも修繕が必要となりますが、これらの箇所はマンションでも専有部分となるため、一戸建てと同様に修繕費用がかかります。

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マンションと一戸建ての維持費をシミュレーション

マンションと一戸建てのそれぞれにかかる維持費を、10年・20年・30年単位でシミュレーションしてみましょう。

もちろん物件の立地やさまざまな条件によって、かかる費用は変わりますが、マンションと一戸建てでだいたいどのくらいの金額が違うのかの目安として参考にしてください。

10年間の維持費

マンションまたは一戸建てを10年間所有する際、必要となる維持管理費用は下記の通りです。

マンション一戸建て
税金120~150万円80~150万円
保険料27~30万円50~56万円
修繕費0円0~100万円
管理費・修繕積立金240~480万円
合計387~660万円130~206万円

保険料は1年契約の金額をもとに算出しているため、5~10年などの長期契約を結ぶことで、より安く加入できるでしょう。

一戸建ての修繕費用も、はじめの10年間はかからないケースが多いです。しかし屋根や外壁の素材によっては、雨漏り防止のための防水工事が必要となるケースもあります。

20年間の維持費

マンションや一戸建てを20年間所有する際に発生する維持管理費用は、以下のようになります。

マンション一戸建て
税金240~300万円160~300万円
保険料54~60万円100~112万円
修繕費0~100万円350万円
管理費・修繕積立金480~960万円
合計774~132万円610~762万円

一戸建て住宅の場合、築10〜15年を過ぎた頃から徐々に、屋根や外壁のメンテナンスが必要となるケースが多いです。

マンションの場合でも、専有部分は自分で修繕を行う必要があるため、修繕費が発生する場合があります。

30年間の維持費

マンションまたは一戸建ての住宅を30年間維持するために必要となる費用は下記の通りです。

マンション一戸建て
税金360~450万円240~450万円
保険料81~90万円150~168万円
修繕費100~200万円600~800万円
管理費・修繕積立金720~1,440万円
合計1,261~2,180万円990~1,418万円

マンションの管理費・修繕積立金は1年ごとの費用をもとに算出しています。しかし実際は、住んだ年数が長くなるほどマンションの劣化も進むため、管理費や修繕積立金が値上げされる可能性もあるため、上記の金額より増える可能性も考えられます。

一戸建てとマンションでかかる維持費の違いについて、より詳細を知りたい方は、アドキャストが運営する以下のYouTubeでも解説しているので、ぜひチェックしてください。

維持費を抑えるにはどうすればいいの?

維持費を抑えるにはどうすればいいの?

一戸建てとマンションは、共通してかかる維持費もありますが、それぞれが独自に必要となる費用もあります。ここでは、それぞれの維持費を抑えるポイントを紹介します。

一戸建ての維持費を抑えるポイントとは?

一戸建ての維持費を抑えるためには、下記のポイントが大切です。

  • 耐久性のある素材を選ぶ
  • アフターサービスの手厚い業者を選ぶ
  • こまめにメンテナンス・修理を行う
  • 簡単な修繕は自分で行う

購入時の価格だけで建築材料を決めずに、メンテナンスが必要になる頻度や耐久性をチェックしましょう。

また、こまめなメンテナンスや修理は劣化スピードを遅らせるだけでなく、不具合に気づきやすいというメリットもあります。不具合や故障は、初期段階で気づくことで修理にかかる費用を抑えられます

マンションの維持費を抑えるポイントとは?

マンションの維持費を抑えるためには、購入前に下記の項目をチェックすることが重要です。

  • 戸数の多さ
  • 過剰な共用設備の有無
  • 築年数

一般的に戸数の多いマンションの方が、費用を割る頭数が多くなるため、管理費・修繕積立金の負担が安くなる傾向にあります。

また、共用設備の維持にも管理費が使われるため、過剰な設備がなくシンプルなマンションの方が、管理費が安く済むでしょう。

築年数は経過しているほど建物の老朽化が進んでいる可能性が高いため、修繕積立金の増加につながりやすいです。

維持費が高いのはマンション!

マンションと一戸建てそれぞれにかかる維持費を合計すると、マンションの方が高くなる傾向にあります。火災保険や地震保険の保険料に関してはマンションの方が安いケースが多いですが、修繕積立金や管理費などの費用が、一戸建てで修繕にかかる費用よりも多くかかる傾向にあるためです。

しかしその分、共用部分の管理は管理会社が行ってくれるなど、マンションならではのメリットもあります。

費用面も含め物件選びに迷った際は、ぜひ豊富な取引実績を持つ「アドキャスト」へご相談ください。物件の購入費用だけではなく、ライフプランも含めた購入予算の検討や物件探しをサポートいたします。

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