分譲地とは？宅地との違いや購入するメリット・デメリットを紹介

マイホームを計画するにあたって、まずは土地が必要です。そこで、「分譲地」という言葉が気になっている方もいるのではないでしょうか。

「分譲地って何？」という方のために、分譲地とはどんな土地なのか、似たような言葉との意味の違いは何なのかを解説します。分譲地を選ぶメリットとデメリットを知り、「ここにしよう」と決める前にチェックすべき点も理解しましょう。

分譲地とは？宅地とはどこが違うの？

分譲地とは、広い土地を不動産会社やハウスメーカーが購入し、小分けに区切り（区画整理）してから販売している土地のことです。あらかじめ住宅を建てるための整備が行われています。

分譲するためには膨大な土地が必要なため、田畑や山林だった部分を買い取るケースも珍しくありません。

宅地との違い

分譲地と混同されやすいものに、「宅地」があります。

宅地とは、土地の登記記録に記載される「地目」の一種です。「建物の敷地及びその維持もしくは効用を果たすために必要な土地」と定義されています。分譲地は、宅地として販売されている土地です。「宅地」というくくりのなかに「分譲地」が含まれています。

引用元
土地の地目の判定｜国税庁
宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方｜国土交通省

分譲「住宅」や他の住宅との違い

「分譲地」ではなく「分譲住宅」という言葉もあります。分譲住宅とは、分譲地の各区画に建てられた住宅のこと。家の間取りやデザインがあらかじめ決まっており、家ができあがった状態で土地と一緒に販売されることが多いです。

完成見学会や内覧会が行われることもあり、土地や家の様子を自分の目で確かめられます。

分譲住宅のほかにも住宅の種類があるので、それぞれの違いを下記で押さえましょう。

建売住宅

建売住宅とは、不動産会社が購入した土地に建築され、土地とセットで売りに出される住宅のこと。家が建てられる土地は、分譲地の場合もあれば、単体の宅地の場合もあります。

なお、「土地と建物をあわせて販売する」ことから、分譲住宅と同じような意味で使われることも多いです。前述のように、分譲地以外に建てられることもあるため、厳密には違うということも理解しておきましょう。

注文住宅

注文住宅とは、自分で購入した土地に、自分の希望をもとにして建てる住宅です。間取り・設備・内外装など、家づくりの内容を一から十まで自分で自由に決められます。

一般的な宅地に建てる場合はもちろん、分譲地であっても、オーダーメイドで家を建てる場合は「注文住宅」の扱いです。

分譲地を購入する4つのメリットとは？

分譲地とは、住宅を建てるために整理された広い土地のなかの一区画であることがわかりました。では、宅地のなかでも分譲地を選ぶメリットとは、一体どんな点なのでしょうか。

1. インフラが整備された状態で売られている

家づくりを始めるにあたって不便が少ない点は、大きなメリットといえるでしょう。

分譲地では、水道・電気・ガスといったインフラがすでに引き込まれた状態で販売されていることが一般的です。インフラ未整備の土地のように、自分で整備する手間や費用がかかりません。

そのため、スムーズに住宅建築ができてコストも抑えられます。

2. コスパが良い

分譲地はまとまった土地を整備したうえで区分け販売しているため、一般的な宅地よりも開発にかかる費用が抑えられます。そのため、土地の価格も安めであることが多く、高コスパ（造成された質の良い土地を安く買える）なことが魅力の一つです。

一括での開発により、インフラ整備や造成工事の効率化が図られており、その分土地の販売価格に還元されていると考えられます。一般的な宅地では「ちょっと手が届かない」と諦めていた方も、分譲地なら予算内に収まるかもしれません。

3. 境界がはっきりしている

一般的な宅地では、境界があいまいなケースがあります。しかし、分譲地は区画整理されているため、隣家との境界がはっきりしていることが特徴です。

明確に線引きされていると塀やフェンスなどを設置しやすく、土地の有効活用や建設的な外構計画ができる点も大きなメリットといえます。のちのちの隣家との境界線トラブルも防げるでしょう。

4. 利便性が高い

分譲地の一帯は、そこに住む人々の暮らしやすさに着目した土地であることも多いです。

街づくり計画を考慮したうえで開発されるケースが多く、公園・学校・商業施設などが近くにあったり、交通の便が良かったり、道路が舗装されていたりと、利便性が高く快適に暮らせるでしょう。

さらに、同じくらいのタイミングで住宅が建ち並ぶため、コミュニティが形成されやすく、防犯面や地域交流の面でも安心感があります。子育て世帯にとっても、整った生活環境のなかで子どもの健やかな成長を見守りながら暮らせる点が魅力です。

分譲地を購入する際の2つのデメリットとは？

上記のようにメリットの多い分譲地ですが、気をつけたい点もあります。そこで、分譲地を選択することへの注意点もチェックしましょう。

1. 土地の広さが決まっている

分譲地では、すでに土地が一軒分ごとに区切られ、境界が決まってしまっています。つまり、土地の広さや形状を自分で決めることができません。

分譲地に注文住宅を建てる場合、決められた土地の状態で建てられる家を設計しないといけないため、「これくらいの広さの家にしたい」「こんな間取りにしたい」という希望を叶えられない可能性があります。

2. 近所トラブルが起きる可能性もある

前述したように、分譲地に分譲住宅が建てられる場合、同時期に一気に家が建ち並ぶため、コミュニティが親密になりやすいです。

防犯面など良い部分もありますが、他者との交流や地域活動が苦手な方には負担になる可能性があります。さらに、密な関係性が原因でトラブルが起きることも、ないとは言い切れません。

また、住んでみるまでどんなコミュニティが形成されるのかが不透明であることも注意したい点です。

自分に合った分譲地を選ぶには？

上記で見てきた分譲地のメリットやデメリットもふまえたうえで、自分に合った分譲地を選ぶにはどうすればいいのでしょうか。購入する前にチェックしたいポイントを解説します。

1. 建築条件付きかどうか

土地には、家を建てる業者や契約までの期間といった条件が決められている「建築条件付き」の土地があります。分譲地を購入し、自分の好きな建築会社に依頼して注文住宅を建てるつもりでも、もしその土地が建築条件付きだった場合、建築会社を選べません。

そのため、自分で選んだ業者に建ててほしいという希望がある場合は、建築条件付きでない分譲地を選びましょう。

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2. 道路の位置をチェックする

分譲地に対しての道路の位置をチェックすることも重要です。東西南北のどの向きなのか、道路の方角によっては、日当たりに大きな差が出ます。

建売で販売されている場合は、内見の際にじっくり確認が必要です。また、注文住宅を建てる場合、限られた土地のなかで、採光について考えながら間取りを検討しなければなりません。

また、道路の舗装状況もチェックしておきましょう。凹凸があるなどのガタガタ道では、ベビーカーを押すときやヒールを履いているときなどに非常に動きづらいです。

3. ガイドラインがあるかどうか

分譲地の活用についてのガイドラインが用意されているかどうかも確認してください。いくら境界線が決まっていても、隣近所が好き勝手に家を建てると、隣家に日光を遮られてしまって暗い・隣との窓の位置が近すぎて開けづらいなどの事態が起きることがあります。

一度家を建てたら、生涯住み続ける方も多いでしょう。周囲の家同士が安心して暮らせて、将来的に近隣トラブルを発生させないためにも、ガイドラインが設けられており、それに沿った家づくりをすることが非常に大切です。

4. 実際に足を運んでチェックする

分譲地を選ぶ際、書面や写真などで確認するだけではチェックしきれない部分もあります。実際に現地に足を運び、道路の位置や舗装状態、日当たり、周辺環境などを自分の目でチェックしてください。

「写真で見るととても素敵・好印象」「書類上では非常に好条件」と感じた土地でも、「現地を見たらイメージと違った」ということはままあります。購入後の後悔をなくすためには、事前に実物を見ておくのが確実です。

メリットとデメリットをふまえて自分に合った分譲地を探そう！

大規模な土地を一軒分ずつに区切って販売される「分譲地」。インフラが整備されており、住みやすいように環境が整えられた土地を比較的安く手に入れられるのは、大きなメリットです。

注意点もありますが、土地や道路の状態などを事前に現地で確認すれば、失敗も抑えやすくなります。今回の内容を参考にしながら、長く安心して暮らせるような分譲地を探しましょう。

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