家を買うときにかかる費用は?諸費用の内訳やシミュレーションを紹介

家を買うときにかかる費用は?諸費用の内訳やシミュレーションを紹介
この記事のポイント
  • 家を買うときには物件価格以外の費用(諸費用)が必要
  • 諸費用の内容には頭金・税金・仲介手数料などがあり、住宅の種類によってかかるものとかからないものがある
  • 物件を購入する前に諸費用のシミュレーションをしておくと良い

家を買うときには、物件自体の価格のほかにもさまざまな費用が発生します。この「諸費用」のことも頭に入れておかないと、予期せず予算オーバーになってしまう可能性も。そのため、どんな費用がどれくらいかかるのか、事前に目安を理解しましょう。

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家を買うときにかかる費用はどれくらい?

家を買うときにかかる費用はいくらなのでしょうか。実は、物件の価格のほか、税金などの諸費用がかかる場合とかからない場合があり、さらに物件の価格によって諸費用の変動もあるため、一概にいくらとはいえません。

諸費用は、注文住宅と新築マンションの場合は物件価格の3〜6%ほど必要とされています。一方で、新築一戸建てと中古一戸建て、中古マンションでは物件価格の約10%ほどが一般的です。資金を用意する際は、これらの割合を理解して、購入する物件価格から全費用の概算を出しておきましょう。

諸費用は住宅の種類によってかからないものもある

新築か中古か、一戸建てかマンションか、住宅の種類によってかかるものとかからないものがあります。そこで、下記の表にざっくりまとめました。各費用の詳細は次章以降で説明します。

○:必ずかかる、△:ケースバイケース、×:かからない

新築注文住宅新築建売住宅中古一戸建て新築マンション中古マンション
印紙税
不動産取得税
仲介手数料×
登録免許税
司法書士への
報酬
固定資産税
清算金
修繕積立基金×××
融資手数料
物件調査
手数料
火災保険料
ローン保証料

不動産取得時にかかる諸費用の内訳

家を買うときの諸費用は、不動産取得時と住宅ローン借り入れ時でそれぞれ必要になります。不動産取得時の諸費用の内訳を、具体的に見ていきましょう。

頭金

「家を買うときには頭金が必要」ということをご存知の方も多いのではないでしょうか。「頭金」は正確には物件価格以外の費用ではなく、はじめに物件価格の一部として支払うまとまった金額のことです。

具体的には、物件価格から住宅ローンで支払う費用を引いた差額で、物件価格の約20%が一般的とされており、支払う頭金が高額になればなるほどローン借入額が少なくなります。

なお、最近では頭金無しで住宅ローンを借り入れることができる金融機関もあります。ただし、その分借入額が上がり利子も高くなるため、返済を考慮すると頭金を用意しておくことをおすすめします。

印紙税

印紙税とは、「経済取引を行う際に作成する契約書や領収書などに課税される」と印紙税法により定められている税金で、家を購入するときにも課されます。

不動産の契約の場合、記載された契約金額が1万円未満の場合は非課税ですが、それ以上の金額の場合は対応する金額の印紙を購入して貼り付けなければなりません

また、電子契約の場合は不要です。詳しくは、国税庁のホームページで公開されていますので、ご確認ください。

引用元
e-Gov法令検索|印紙税法
国税庁|No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

不動産取得税

家は不動産にあたりますから、購入時には不動産取得税も必要です。不動産取得税とは、「土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得(相続などの場合は除く。)した際に、取得した方に対して課される税金」とされています。

原則として不動産の評価額×税率(4%)が税額ですが、令和9年3月31日までは特例として、住宅用の土地と建物は税率3%です。また、非課税になるケースもあります。

引用元
総務省|地方税制度|不動産取得税
東京都主税局|不動産取得税 | 税金の種類
東京都主税局|不動産取得税|不動産と税金

仲介手数料

不動産会社など、仲介者を介して家を購入する場合は、仲介手数料が必要です。仲介手数料は不動産会社が自由に決めて良いというものではなく、「宅地建物取引業法」という法律で上限が定められています

仲介手数料の金額は以下の通りです。

物件価格(税抜き)上限
200万円以下物件価格の5.5%
200万円超~400万円以下物件価格の4.4%+
(2万円+消費税)
400万円以上物件価格の3.3%+
(6万円+消費税)

引用元
国土交通省|国土交通省告示第四百九十三号宅地

登記手続きにかかる費用

不動産の売買にあたり誰が所有者であるのかといった権利を明らかにするために、登記簿へ登記をしなければなりません。登記簿への登記の手続きは法律にもとづいて行わなければならず、不動産の評価額から算出した登録免許税や、手続きを依頼した司法書士への報酬などの費用が必要です。

登録免許税は、不動産の評価額の2%がかかります。ただし、土地は令和8年3月31日までの間に登記する場合は1.5%、建物は令和9年3月31日までは0.1~0.3%(住宅性能などによる)です。

司法書士へ手続きを依頼した場合の報酬は、厳密に相場があるわけではないため、依頼する司法書士や依頼内容・作業内容で異なります。所有権移転のみであれば、一般的には5~10万円程度と言われています。

また、作業報酬以外に、書類を取得する費用や郵送料、法務局への交通費などの実費も必要です。

引用元
国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

固定資産税清算金

建物・土地を所有すると、その資産価値に応じて算出された固定資産税を納める義務が発生します。通常、固定資産税は年1回の納付ですが、不動産を取得した年は、売主さまが負担する固定資産税のうち、売買をした日からの分を買主さまが負担しなければなりません。

固定資産税清算金の算出方法は、以下の通りです。

固定資産税評価額の6分の1×1.4%を起算日から日割り

なお、固定資産税は地方税に分類され、起算日は地域によって異なることがありますので、不動産業者や税理士などに確認しましょう。

引用元
総務省|地方税制度|固定資産税

修繕積立基金

新築マンションを購入する場合は、修繕積立基金も必要です。修繕積立基金は、マンション全体を大規模に修繕する際に利用される資金になります。マンションを購入すると、毎月修繕積立金を徴収されますが、大規模な修繕を行うためには不足してしまいます。そのため、新築時にまとまった資金を修繕積立基金として集めておくのが一般的です。

マンションの価格や階層、専有面積によって金額は異なり、20~50万円程度が相場とされています。

水道負担金

自治体によっては、水道負担金が必要なこともあります。「水道加入金」「給水分担金」などさまざまな呼び方がありますが、水道負担金と同義です。

水道負担金は、新しく上下水道を設置したり、水道の数を増やしたりするときに水道局に支払う費用です。既に水道が設置されている中古住宅では負担がないこともありますが、水道負担金が工事費として計上されていることが多いようです。

金額は自治体によって、また、道路が舗装されているかでも異なるため幅が広く、15万~30万円程度が相場とされています。

住宅ローン借り入れ時にかかる諸費用の内訳

ここまでは、不動産取得時にかかる諸費用について解説しました。続いては、住宅ローン借入時に必要な諸費用の内訳について見ていきましょう。

印紙税

不動産取得時に印紙税が必要と前述しましたが、住宅ローンの借り入れ時にも必要です。ただし、近年増えてきている電子契約の場合は、印紙税がかかりません

2021年5月の「デジタル改革関連法」の成立に伴い、押印や書面化の義務が緩和され、2022年5月の「宅建業法」の改正により、IT重説に加え「電子契約」が全面的に解禁されました。そのため、電子契約に限り上記の印紙代は不要になりました。(印紙税法の課税対象外)

電子契約のその他のメリットとして、コスト削減(書面作成・保管場所など)や業務効率の向上(移動時間・日程調整など)といった点があります。

※注意点として、電子契約を行う際には売主さま・買主さまともに「承諾」が必要なため、取り引きごとに確認が必要です。

引用元
国税庁|令和7年5月 印紙税の手引
国税庁|No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
国税庁|「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長について
厚生労働省|デジタル改革関連法の全体像(令和3年5月19日公布)
国土交通省|ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について

融資手数料

住宅ローンを借り入れる際には、金融機関へ支払う事務手数料が発生します。これを融資手数料と呼びます。

融資手数料には定額型と定率型があり、定額型は借入金額の大小に関わらず、一定の金額を支払います。一般的には3~5万円程度の設定がされていることが多いようです。

対して定率型は、借入金額に対する設定された割合の金額を支払います。金融機関にもよりますが、一般的には1~3%程度の設定がされています。

登記手続きにかかる費用

住宅ローンを利用する場合は、契約した金融機関に購入する不動産の抵当権が発生します。抵当権を設定するには登記簿への登記が必要なため、ここでも登録免許税と司法書士への報酬を支払う必要があります。

抵当権設定のための登録免許税の税率は0.4%ですが、個人が令和9年3月31日までの間に家を購入した場合は、0.1%に軽減されます。

また、司法書士への報酬は、5~10万円程度が相場とされているようです。

引用元
国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

物件調査手数料

住宅ローンを借り入れるためには、担保にする物件が融資基準に適合しているか審査しなければならず、その適合審査を行うために必要な費用が物件調査手数料。主に、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」を利用する際に必要なケースがあります。

一戸建てで6〜8万円程度、マンションでは4〜6万円程度が相場とされています。

火災保険料

住宅ローンの利用では、ほとんどのケースで火災保険への加入が求められるため、火災保険料も必要です。契約期間によって必要な費用は異なりますが、一般的には短期よりも長期の保険のほうが割安になる傾向が高いです。

必要な費用は保険会社によって異なり、10年契約の場合は15〜40万円程度が相場とされています。また、金融機関が提携している保険会社の火災保険に加入すると、割引や優待が受けられるということもあるようです。

ローン保証料

万が一ローンの返済ができなくなった場合、債務者に代わりローン保証会社が返済をすることがあります。そのためには、ローン保証料という費用も必要です。ローン保証料は金融機関ではなく、住宅ローンの保証会社に支払います。

ローン保証料は、住宅ローンの利子に上乗せして支払う内枠方式と、保証料全額をあらかじめ支払う外枠方式があります。

内枠方式では借入額の0.2~0.5%程度、外枠方法では借入額の2%程度が相場になっているようです。

団体信用生命保険料

返済期間中に債務者が病気や怪我、あるいは死亡や高度障害などで返済が滞ってしまうケースを想定して、債務者に代わり生命保険会社がローンの残金を支払う保険があります。この保険を団体信用生命保険(団信)と呼び、加入するにあたって保険料が発生します。

保障される範囲や特約を付けるかによって保険料が異なるため、金融機関に相談してみると良いでしょう。

住宅種類別に諸費用をシミュレーション

住宅種類別に諸費用をシミュレーション

ここまでの内容をもとに、住宅の種類別の諸費用についてシミュレーションを行いました。家を買う際の参考にしてみてください。

【条件】

物件価格(一戸建ては土地込み・新築は軽減措置あり):9,000万円、頭金:2,000万円、固定資産評価額は一律60%で計算

新築一戸建て中古一戸建て新築マンション中古マンション
印紙税3万円
※仮定、
電子契約の場合は0
3万円
※仮定、
電子契約の場合は0
3万円
※仮定、
電子契約の場合は0
3万円
※仮定、
電子契約の場合は0
不動産取得税0※仮定0※仮定0※仮定0※仮定
仲介手数料0(業者から直接購入)303万6,000円303万6,000円303万6,000円
登録免許税建物1万5,000円、
土地58万5,000円
(建物1,500万円、
土地3,900万円:
軽減措置あり)
建物18万円・
土地67万5,000円
(建物900万円、
土地4,500万円)
建物16万2,000円、
土地48万6,000円
(建物1620万円、
土地3240万円:
軽減措置あり)
建物18万円・
土地67万5,000円
(建物900万円、
土地4,500万円)
司法書士への
報酬
20万円※仮定20万円※仮定20万円※仮定20万円※仮定
固定資産税
清算金
044万3,244円
※起算日1月1日、
物件引き渡し6月1日
(売主さま所持151日)とする
044万3,244円
※起算日1月1日、
物件引き渡し6月1日
(売主さま所持151日)とする
修繕積立基金0030万円30万円
融資手数料5万円※仮定5万円※仮定5万円※仮定5万円※仮定
物件調査
手数料
8万円※仮定8万円※仮定6万円※仮定6万円※仮定
火災保険料40万円※仮定40万円※仮定40万円※仮定40万円※仮定
ローン保証料150万円※仮定150万円※仮定150万円※仮定150万円※仮定

家を買うときの心配事は専門家に相談しよう

家を買うときにはさまざまな準備や手続きが必要で、何からして良いかわからず悩んでしまうことも多いでしょう。そのため、家を買うときの不安や悩みは、専門家へ相談することをおすすめします。

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家を買うときは諸費用も考えて資金計画を立てよう

家を買うときは諸費用も考えて資金計画を立てよう

今回は、家を買うときに必要な諸費用について、それぞれの内訳や金額の目安などを解説しました。

家を買う際には、不動産取得時や住宅ローン利用時など、さまざまな点で費用が発生します。物件価格と比較するとひとつひとつは少額に見えるかもしれませんが、全て合わせた総額は予想外に高額になってしまうかもしれません。

そのため、諸費用のことも考慮に入れて資金計画を立ててみてください。

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