- 中古マンション購入時の初期費用もフルローンで払える可能性はある
- フルローンで購入するメリットと注意点が理解できる
- メリットと注意点の両面を知った上で自分に合った方法を選ぼう
中古マンションの購入にあたって、フルローンを検討する方もいることでしょう。資金が厳しい状況などであれば、初期費用もフルローンで支払いたいものです。しかし、中古マンションの初期費用までフルローンに含むことは可能なのでしょうか。
今回は、中古マンションのフルローンについて、初期費用にも利用できるかという点やフルローンのメリット・注意点を解説します。最後までよく読み、適切な方法で中古マンションを手に入れてください。
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中古マンション購入の初期費用もフルローンで払える?
ここではまず、フルローンや初期費用の基本的な説明と、中古マンション購入時の初期費用をフルローンで払えるのかという点の解説を行います。フルローンに関する疑問を解消しましょう。
フルローンとは?
フルローンとは、頭金なしで物件の購入価格全てを住宅ローンの借入金で支払うことをいいます。かつての住宅ローンは購入価格の7~8割が限度で、100%ローンを利用することはできませんでしたが、規約の改定により全額融資が可能になりました。
その結果、資金準備が困難な方でも、フルローンを利用することにより住宅を購入するハードルが下がりました。
初期費用にはどんなものが含まれる?
住宅購入の際にはさまざまな初期費用の支払いが発生します。そこで、初期費用として払うものにはどんな項目があるのかを見ていきましょう。
手付金
手付金とは、物件の売買契約の際に買主さまが売主さまに支払うお金のことです。売買契約成立の証という意味合いがあると同時に、万が一契約が解除される場合の担保にもなります。
買主さまの都合で解除する場合は手付金がそのまま違約金になり、売主さまの都合で解除する場合は買主さまに手付金を返金した上で同額を買主さまに支払うという形式です。
問題なく契約が継続する場合、物件価格の一部に充当されるのが一般的です。
頭金
頭金とは、物件価格から住宅ローンで借り入れる金額を差し引いた分のこと。たとえば4,400万円の物件を購入し、住宅ローンで4,000万円借り入れをするなら、頭金は400万円です。一般的に、預金や親族からの資金援助などで支払われることが多いです。
頭金を準備するメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- 借入額が少なくなるためトータルの支払い金額も減る
- 住宅ローンの審査で有利になりやすい
- 住宅ローンの金利が下がるケースがある
諸費用
中古マンションに限らずですが、物件購入時の初期費用には上記のほか、「諸費用」としてさまざまな支払いが発生します。
項目 | 計算方法・目安 |
---|---|
仲介手数料 | 上限:物件価格×3%+6万円+消費税 |
印紙税 | 1万~3万円程度 |
不動産取得税 | 0円~固定資産税評価額の3%または4% |
登録免許税 | 固定資産税評価額の1.5~2% |
司法書士への依頼料 | 数万~10万円前後 |
固定資産税・都市計画税の清算金 | 固定資産税の日割り金額 |
このほか、状況に応じて住宅ローンの保証料や団体信用生命保険料なども必要です。
初期費用もフルローンで払える?
初期費用にも対応できる住宅ローンを利用すれば、フルローンで支払うことが可能です。ただし、中古マンションは新築に比べて価値が減少しているため、担保評価額と購入価格の差が大きくなるケースもあり、初期費用まで融資を受けるのは厳しい可能性があります。
金融機関にもよく相談し、適切な資金計画を立てましょう。
フルローンで中古マンションを購入する3つのメリットとは?
つづいて、フルローンで中古マンションを購入するメリットをチェックしましょう。
1. 買い逃す可能性を減らせる
まず大きなメリットは、手元の資金が少なくても欲しいタイミングですぐに物件を購入できること。そして、すぐ買えるため気に入った物件を買い逃す可能性が低くなることです。
中古マンションは新築マンションのように一斉に売り出されることは少なく、一戸限りというケースが多いため、気になる物件を逃してしまった場合、なかなか代わりが見つかりません。
希望の物件が見つかった場合、フルローンは有利といえるでしょう。
2. 住宅ローン減税を最大限に活用できる
頭金を入れないフルローンでは住宅ローンの借入金額が多くなるため、住宅ローン減税(住宅ローン控除)を最大限に活用できることもメリットです。
中古マンションでは年間21万円を限度に、最大10年間「年末の時点でのローン残債×0.7%」が所得税や住民税から控除されます。
ただし、利用する住宅ローンの金利などによっては頭金を入れたほうが控除が大きくなるケースも。控除額はさまざまな条件に伴って変動するため、実情に合わせてシミュレーションすることが大切です。
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中古マンションでも住宅ローン控除は受けられる? 適用条件や必要な手続きを紹介
3. 現金を手元に残せる
フルローンにすると、預貯金を手元に残しておけることもメリット。貯蓄を多く頭金に使うことで、目先に必要なお金が減ってしまいます。
そこで、これからの支出に備えて現金を残しておけば、万が一、病気・ケガの治療費や子どもの教育費などで高額な出費が必要になった場合の生活も安心でしょう。
フルローンで中古マンションを購入する際の5つの注意点とは?
メリットとあわせて、フルローンで中古マンションを購入する際の注意点も頭に入れましょう。
1. 返済の負担が増えてしまう
住宅ローンで借り入れる金額が増えると、当然ですが返済額も増えてしまいます。
3,500万円の物件を、金利1.8%・返済期間35年のローンを組んで購入すると仮定したとき、フルローンと頭金を入れる場合ではこのような違いが出ました。
フルローン | 頭金10% | 頭金20% | |
---|---|---|---|
頭金 | 0円 | 350万円 | 700万円 |
借入額 | 3,500万円 | 3,150万円 | 2,800万円 |
返済総額 | 約4,720万円 | 約4,250万円 | 約3,780万円 |
月々の返済額 | 約11.2万円 | 約10.1万円 | 約9万円 |
表のように、フルローンか頭金を入れるかで、月に約1~2万円、総額で500~1,000万円もの大きな差が出ます。さらに、フルローンは月々の負担が増える上に、返済期間も長くなりやすいといわれているため注意が必要です。
2. 住宅ローン審査が厳しくなる
前述の通りフルローンでは頭金ありの場合と比べて返済の負担が増えるため、住宅ローンの審査も厳しい傾向があります。審査には事前審査と本審査があり、借入時・完済時の年齢や健康状態、年収、返済負担率などが重視されやすいです。
フルローンの場合、返済負担率が大きくなるため、借入額に見合う安定した収入が求められます。
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住宅ローン審査とは? 審査の流れと通過のポイントを紹介
3. 金利が高い
フルローンは金利が高くなる点にも注意が必要です。
例として、フラット35の金利を取り上げましょう。フラット35とは、借入期間が21年以上35年までの、全期間固定金利型の住宅ローン。
2024年7月時点での「新機構団信付きのフラット35」の金利を見てみると、フルローンを含む融資率「9割超」のローンでは、9割以下の場合に比べて高金利であることがわかります。
融資率 | 金利 |
---|---|
9割以下 | 年1.840%~年3.450% |
9割超 | 年1.950%~年3.560% |
4. 利息の支払い額が増える
住宅ローンの借入額が増えれば利息も大きくなるため、さらに負担が増すことも注意点。前述の返済額と同じ条件で比較してみると、利息には下記のような違いが出ます。
フルローン | 頭金10% | 頭金20% | |
---|---|---|---|
頭金 | 0円 | 350万円 | 700万円 |
借入額 | 3,500万円 | 3,150万円 | 2,800万円 |
返済総額 | 約4,720万円 | 約4,250万円 | 約3,780万円 |
利息額 | 約1,220万円 | 約1,100万円 | 約980万円 |
4. オーバーローンになる可能性がある
オーバーローンとは、物件の価格や価値を、住宅ローンの借入金額や残高が上回った状態のことです。前述したように諸費用までフルローンに含める場合や、売却した際の金額がローンの残債より安くなってしまう場合が該当します。
ここまでの注意点も含め、フルローンの利用は、将来のことも考えながら慎重に検討することが重要といえるでしょう。
メリットと注意点を押さえて自分に合った方法で購入しよう
中古マンションの購入の際、購入価格をすべて住宅ローンでまかなう「フルローン」を利用できます。金融機関によっては初期費用もフルローンで払える可能性もあり、自己資金が少ない方にとってもマイホームを手に入れるチャンスといえるでしょう。
フルローンで中古マンションを購入することには、理想の物件に出会えたらすぐに買えて貯蓄を残せるなどのメリットがあります。
ただし、返済総額や利息が高くなり、審査も厳しめという傾向があることは事実。現状だけでなく将来的な目線も持ちながら、自分に合った方法で中古マンションを手に入れましょう。
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