中古住宅購入にかかる諸経費とは? 内訳とシミュレーションを紹介

中古住宅購入にかかる諸経費とは? 内訳とシミュレーションを紹介
この記事のポイント
  • 諸費用の内訳と目安が理解できる
  • シミュレーションで必要となる諸費用の金額の目安がつかめる
  • 購入する前にしっかりシミュレーションをするのがおすすめ

中古住宅を購入する際に支払う費用は、物件価格だけではありません。さまざまな経費が必要で、知っておかないと予定外の出費に頭を抱えてしまう恐れもあります。

そこで、中古住宅購入時には物件自体の費用のほかにどんな経費がかかり、目安はどれくらいなのかを押さえましょう。

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中古住宅購入にかかる諸費用とは?

中古住宅購入時には、物件そのものの購入費用のほかにさまざまな費用がかかり、まとめて「諸費用」と呼ばれます。諸費用の内容は、税金・登記費用・融資手数料・仲介手数料・火災保険料・印紙代などです。

中古物件購入時の諸費用の目安は、一戸建てもマンションも物件価格の6~9%とされています。ただし、さまざまな条件によって上下する可能性があることは頭に入れておきましょう。

諸費用はいつ払うの?

諸費用にはさまざまなものがあるため、それぞれどのタイミングで払えばいいのかを下記の表にまとめました。参考にしてみてください。

時期内容
売買契約時
  • 売買契約書の印紙代(印紙税)
  • 仲介手数料
売買契約後・決済時
  • 金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約)の印紙代
  • 住宅ローンの事務手数料・保証料
  • 団体信用生命保険
  • 固定資産税・都市計画税の清算金
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬
  • 火災保険料・地震保険料
決済後
  • 不動産取得税
  • リフォーム費用
  • 引っ越し費用
  • 家具家電の購入費用

物件に関連した諸費用の内訳と目安を紹介

物件に関連した諸費用の内訳と目安を紹介

つづいて、物件に関連する諸費用の内訳と目安を解説します。

1. 仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社などが間に入って中古住宅を購入したときにかかる、仲介元へ支払う手数料のこと。目安は「物件価格×3%+6万円+消費税」です。売買契約時に半分、引き渡し完了時に残りを支払うケースや、契約時に全額支払うケースがあります。

引用元
建設産業・不動産業:不動産流通について|国土交通省
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額|国土交通省

2. 不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得した年に一度だけ課税される地方税のこと。原則として固定資産税評価額の4%ですが、一定の条件を満たす不動産の場合には、特例措置により非課税、もしくは軽減措置により3%に減額されることもあります。

引用元
不動産取得税|総務省
不動産取得税の軽減制度について|東京都主税局

3. 印紙税|売買契約書

契約書や金銭の受取書などに課税されるもので、物件の売買契約書に貼る印紙にかかる国税です。契約金額に応じて税額が決められています。令和9年3月31日までに作成される契約書には軽減措置が設けられており、20~50%の減額を受けられます

引用元
印紙税の手引|国税庁
印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長について|国税庁

4. 登録免許税

登録免許税とは、所有権の登記にかかる国税のこと。登記の種類や内容によって税率が変わりますが、「土地の所有権の移転登記」の売買契約における税率は、通常は固定資産税評価額の2%です。ただし、令和8年3月31日までの間に登記を受ける場合は1.5%に軽減されます。

引用元
登録免許税の税額表|国税庁
登録免許税はどのように計算するのですか?|法務局

5. 固定資産税・都市計画税(清算金)

固定資産税は、所有する住宅に対してかかる地方税です。土地や建物を1月1日時点で所有している人が、その年の1年分の税金を納めます。

また、都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に必要な費用のために徴収される地方税(市町村)です。

固定資産税は「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」、都市計画税は「固定資産税評価額×税率0.3%(上限)」で求められます。

年の途中で不動産の引き渡しがあった場合、いずれも日割り計算されて買主さまから売主さまへ支払う清算金が発生するというのが通例です。

引用元
固定資産税|総務省
都市計画税|総務省

6. 司法書士費用

登記の手続きを司法書士に委託した場合は、報酬としての費用が必要です。ただし、明確な報酬額の取り決めはありません。また、報酬額は登記の種類によっても異なります。目安として、数万~10万円前後を見ておきましょう。

住宅ローンに関する諸費用の内訳と目安を紹介

つづいて、住宅ローンに関する諸費用の内訳と目安を頭に入れましょう。

1. 印紙代|金銭消費貸借契約書

住宅ローン契約を行う際の「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙にかかる税金です。なお、不動産売買契約書のような軽減措置はありません。ただし、住宅ローンを電子契約で行う場合は印紙代は不要です。

2. 融資手数料

融資手数料とは、住宅ローンの借り入れに際して、金融機関に支払う事務手数料のことです。借入金額に関わらず一定の金額を支払う定額型、借入金額に対して一定の割合を支払う定率型があります。金融機関によって税率や金額が異なるため、利用する金融機関で確認しましょう。

3. ローン保証料

ローン保証料とは、住宅ローンの契約後にローン契約者が万が一返済不能になった場合、契約者に代わって金融機関に債務を返済してくれる保証会社に対して支払う費用です。

住宅ローン契約では、かつては連帯保証人を立てるのが一般的でしたが、借入額が高額のため、連帯保証人になってくれる相手を探すのに苦労する人が多いという現実があります。そこで、連帯保証人の代わりに保証会社を利用できる金融機関が増えました。

ただし、保証会社を利用する場合、対価としてまとまった金額のローン保証料を払う必要があることに加え、返済義務がなくなるわけでもありません。

昨今では、ローン保証料に代わり借入金額の2%(税抜)を融資手数料として支払うことで、銀行としては借入時に利益を確定できるため、金利を引き下げる方式が増えています。

4. 登録免許税|抵当権設定登記

登録免許税については前述しましたが、住宅ローン借入時にも発生します。抵当権(ローン契約者が返済できなくなった場合に金融機関がその不動産を担保に優先的に弁済を受ける権利)の設定に対してかかり、税率は借入額の0.4%(※減税対象の場合は変わる可能性あり)です。

5. 物件調査手数料

フラット35を利用する場合にかかるもので、住宅が融資基準に適合するかを調査するための費用です。基本手数料のほか、フラット35Sなどを利用する際に必要な検査によって加算手数料がかかる場合があります。

※ 物件検査手数料は、適合証明機関により異なります。

6. 団体信用生命保険料

団体信用生命保険(団信)とは、加入者に死亡や高度障害といった万一のことがあった場合に、住宅ローンの残債が全額弁済される保障制度。住宅ローンを組むときに加入することが一般的で、借入後に加入することはできません。

※一般的に、団体信用生命保険料は金利に含まれます。

また、健康状態によっては団信に加入できないケースもあります。

7. 火災保険料・地震保険料

火災保険や地震保険への加入は、法律で義務付けられているわけではありませんが、住宅ローンを組む際に金融機関が必要としているケースが多いです。金融機関にとって、担保になっている住宅が消失したり価値が下がったりした場合のリスク対策になるためです。

また、実際に火災や地震などで住宅が損害を受けた場合、債務者側も保険金なしに修繕とローンの返済を両立するのは困難でしょう。

金融機関が保険会社を紹介してくれるケースもありますが、どれに加入するかは自分で決められるので、もしもの場合に備えて自分に合った保険に加入しましょう。

諸費用のシミュレーションを紹介

諸費用のシミュレーションを紹介

モデルケースとして、2つのパターンでの中古住宅購入時の諸費用のシミュレーションを紹介します。

中古一戸建て|4,000万円で購入

中古の一戸建てを4,000万円で購入した際の、物件に関する諸費用・住宅ローンに関する諸費用のシミュレーションです。なお、固定資産税評価額は2,000万円、借入額は3,500万円とし、一部費用は目安で出しています。

固定資産税評価額は自治体が決めるもので、物件の状態や立地、築年数などによって変動するため、あくまでも例として設定しています。
※不動産取得税は軽減措置があり、多くのケースでは0円になるケースがあります。

物件に関する諸費用仲介手数料4,000万円×3%+6万円+消費税=約134万円
不動産取得税2,000万円×3%=60万円
印紙税1万円
登録免許税2,000万円×1.5%=30万円
固定資産税・都市計画税(清算金)(年のちょうど半分で購入したとして)(2,000万円×1.4%+2,000万円×0.3%)÷2=17万円
司法書士費用約20万円
住宅ローンに関する諸費用印紙税2万円
融資手数料約3万円
ローン保証料約80万円
登録免許税3,500万円×0.4%=14万円
物件調査手数料約15万円
火災保険料・地震保険料約40万円
合計約416万円

中古マンション|4,000万円で購入

つづいて、中古マンションを4,000万円(固定資産税評価額は一戸建てと同じく2,000万円とする)で購入した際の、物件に関する諸費用・住宅ローンに関する諸費用のシミュレーションです。こちらでは、借入額を3,000万円にして計算しました。
※不動産取得税は軽減措置があり、多くのケースでは0円になるケースがあります。

物件に関する諸費用仲介手数料4,000万円×3%+6万円+消費税=約134万円
不動産取得税2,000万円×3%=60万円
印紙税1万円
登録免許税2,000万円×1.5%=30万円
固定資産税・都市計画税(清算金)(年の3分の1が経過した頃に購入したとして)(2,000万円×1.4%+2,000万円×0.3%)×2/3=約23万円
司法書士費用約20万円
住宅ローンに関する諸費用印紙税2万円
融資手数料約70万円
ローン保証料0円(融資手数料を払えば不要という金融機関あり)
登録免許税3,000万円×0.4%=12万円
物件調査手数料約15万円
火災保険料・地震保険料約20万円
合計約387万円

購入する前に必要な諸費用をシミュレーションしておこう

中古住宅の購入にかかる諸費用は、1つ1つを見るとそこまで大きな金額ではないものもありますが、合計するとそれなりの金額になります。軽減制度も活用しつつ、購入する前にしっかりシミュレーションをすることが欠かせません。

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