中古住宅購入に失敗しないための注意点は?

中古住宅購入に失敗しないための注意点は?
この記事のポイント
  • 中古住宅購入の流れを押さえられる
  • 諸費用の内訳を把握できる
  • 注意点・ポイントを理解して物件を選ぼう

住宅の購入を考えている方の中には、新築ではなく、中古住宅に焦点を当てている方も少なくありません。しかし、住宅の購入は人生の中でももっとも大きな買い物のひとつ。購入してから「失敗してしまった」と後悔することは避けたいですよね。

そこで今回は、中古住宅を購入するにあたって失敗しないためにはどんな点に気をつけたいのか、チェックポイントを解説します。併せて必要な諸費用についても紹介しますので、中古住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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中古住宅を購入するまでの流れ

はじめに、中古住宅を購入するまでの流れを簡単に見ていきましょう。

中古住宅を購入するためには、まず、不動産会社へ相談したり不動産サイトを利用したりして、情報を収集しましょう。この時、理想とする住宅の条件や、こだわりたい部分などを明確にしておくと候補が絞りやすいです。

候補を決めたら、物件を公開している不動産会社や不動産サイトの運営元に問い合わせて、ここから各種手続きなどを行います。

詳細な流れは、以下の記事で紹介していますので併せてご覧ください。

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中古住宅を購入する時の注意点

中古住宅を購入する時の注意点

中古住宅を購入する際、どんな家に住みたいか、理想の住宅を描くことは大切です。しかし、購入してから失敗したと後悔しないためには、それ以上にどんなポイントに気をつけるべきかを知ることが重要と言えるでしょう。

ここからは、中古住宅を購入する時、チェックしておきたい注意点を解説します。

物件取得費以外にかかる費用

住宅の購入には大きな予算が必要になるというのは、共通認識としてお持ちだと思います。しかし、物件取得費以外にも、さまざまな費用がかかることはご存知でしょうか?

物件取得費以外には、各種税金や手続きのための手数料など、諸費用が必要です。こういった費用を考慮し、物件購入にかけられる費用はどれくらいか計算して、資金計画を立てなければいけません。

なお、諸費用については後ほど詳しく解説します。

築年数や耐震性

中古住宅に限らず、建物を購入する際に注目するべき点は築年数や耐震性です。

築年数は、建物が新しければ新しいほど状態が良い、と考えがちですが、それだけではありません。耐震性にも大きく関わっているからです。

昭和56年(1981年)6月以前の建築確認取得物件は旧耐震基準のため、現在の耐震構造を満たしていない可能性が高いです。また、バブル期(1986年~1991年頃)に建築された物件は、建築需要の高まりにより現場が混乱し、粗悪な物件も散見されます。

さらに、平成10年(1998年)以前の物件は、建築検査済証を取得していないことも多いです。

建物そのものの築年数だけでなく、こういった側面から、耐震性など安全性や快適性をしっかりと確認しましょう。  

リフォーム・増築が可能かどうか

物件を購入した後のリフォームや増築も視野に入れましょう。

建物が傷んでいるなどなんらかの理由からリフォームが必要なこともありますが、どの程度のリフォームで問題が解消できるのかを確認してください。また、壁の撤去をしようと思ったら配管構造壁になっていてリフォームが不可能だった、などということも考えられます。

建物の建替えや将来的に増改築を考えている場合は、「再建築不可物件」ではない物件を選んでください。再建築不可物件とは、建築基準法や都市計画法などにより、今ある建物を取り壊しても新たに建築ができない物件のことです。

また、建築基準法により、住宅を建築するための土地は4m以上の幅の道路に2m以上接していなければならないという接道義務があります。

もし購入物件の前の道路幅が4mに満たない場合、将来建替えをする際、必要な幅だけ建物を後退(セットバック)させて建築しなければならないため、土地が狭くなってしまい思うように建築できないケースがあります。

リフォームや増改築については、事前に工務店やハウスメーカーなどリフォームのプロに相談してみてください。

引用元
e-Gov法令検索|建築基準法
e-Gov法令検索|都市計画法

住宅ローンが組める物件かどうか

住宅ローンの利用を考えている場合、住宅ローンが組める物件かどうかも確認しなければなりません。

築年数が古く耐震基準を満たしていない物件や再建築不可物件、建ぺい率や容積率などで違法建築になってしまっている物件の場合、担保評価不足で融資額が減額されてしまうことがあります。そもそも、審査自体が不可で住宅ローンの契約ができない銀行が多いです。

将来的なメンテナンス・管理費用

短期的なリフォーム以外に、長期的なメンテナンスや管理費用も考慮してください。物件売買には、「付帯設備表」と「物件状況報告書」という書類が交付されるため、内容をよく確認しましょう。

特にエアコンや給湯器などの設備については、物件引き渡し時に正常に機能していれば、その後壊れても売主さまの責任にはなりません。水回りの電化製品は寿命があるため、引き渡し後に立て続けに故障してしまうリスクも考えられます。

売却理由

中古住宅は、売主さまが何らかの理由で売却をしようとしている物件です。売却理由にはポジティブなものとネガティブなものがあり、ネガティブな理由の場合、あえて告知されないということも考えられます。

家そのものや売主さまに問題がなくても、ご近所トラブルや交通事故が多発する立地であるなどの環境面は、購入前に判明させることは難しいでしょう。

特に相場よりも安価な価格になっているなど、何か気になったり引っかかったりする点がある場合は、きちんと売却理由を確認してみてください。

重要事項説明書をしっかりと確認する

物件を売買する時には、契約が成立するまでに重要事項説明書が交付され、宅建士から重要事項説明を受けます。

重要事項説明書とは、物件の状態や取引の条件、解約の取り決めなどが記されている書類です。この書類にサインをすると、書かれていることにはすべて同意・了承したことになるので、疑問点や不安点がないかきちんと確認しておきましょう。

申し出ておけば、重要事項説明の前に受け取ることができるので、あらかじめ発行してもらい事前にじっくりと確認しておくことをおすすめします。

補助金や減税の対象になるかを確認する

中古住宅の購入でも、住宅ローン控除などの減税を受けられたり、補助金を利用できたりすることがあります。各制度によって条件が異なるため、購入しようとしている物件がどの制度に適合しているのか、確認しておきましょう。

ホームインスペクション(住宅診断)を受ける

一見問題ない建物でも、例えば基礎部分や壁の中など、目に見えない部分に欠陥を抱えている可能性はないとは言えません。しかし、見た目ではわからない部分を、どうやって判断すれば良いのか悩んでしまいますよね。

不安点を解消するためには、ホームインスペクション(住宅診断)を受けることをおすすめします。ホームインスペクションとは、住宅に精通しているホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者の立場から専門的な視点で住宅のさまざまな状況を判断し、場合によっては改修の時期や費用などをアドバイスするサービスのことです。

一般的には、住宅を購入する買主さまが費用を負担することが多いですが、売主さまが物件の売却を考慮して行うこともあります。

中古住宅の購入に必要な諸費用の内訳

中古住宅の購入時にかかる物件価格以外の諸費用は、大きく3つにわけることができ、「物件取得にかかる諸費用」「住宅ローンにかかる諸費用」「購入後にかかる諸費用」があります。

ここからは、それぞれの諸費用の内訳を見ていきましょう。なお、内訳と共に金額の目安もお伝えしますが、物件の評価額によって異なることがありますので、あくまで目安であることに注意してください。

物件取得にかかる諸費用

物件取得には、登録免許税・仲介手数料・固定資産税・都市計画税の精算・印紙代・司法書士報酬などが必要です。それぞれの金額の目安は、以下の通りです。

登録免許税固定資産税評価額×0.3%(建物)
固定資産税評価額×1.5%(土地)
※移転登記費用、軽減措置摘要
仲介手数料取引物件価格×3%+6万円+消費税
※取引物件価格が400万円以上の場合
固定資産税・
都市計画税の精算
固定資産税:固定資産税評価額×1.4%
都市計画税:固定資産税評価額×0.3%
※物件取得日に応じて日割りし精算
印紙代
(売買契約)
取引価格が1,000~5,000万円以下の場合10,000円
※取引物件価格により異なる
※電子契約の場合、負担無
司法書士報酬1~20万円程度
※依頼内容により異なる

引用元
国税庁|No.7191 登録免許税の税額表
総務省|地方税制度|固定資産税
総務省|地方税制度|都市計画税
国税庁|No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

<h3>住宅ローンにかかる諸費用</h3>

住宅ローンを利用するには、印紙代・融資事務手数料・登録免許税・火災保険・地震保険・団体信用生命保険費用などが必要です。それぞれの金額の目安は、以下の通りです。

印紙代
(金銭消費貸借契約)
融資金額が1,000~5,000万円以下の場合20,000円
※融資額により異なる
※電子契約の場合、負担無(一部、手数料がかかる場合もある)
融資事務手数料借入金額の1~3%程度または3~5万円程度
※金融機関により異なる
登録免許税住宅ローン借入額×0.1%
火災・地震保険火災保険料:15~40万円
地震保険料:5〜25万円
団体信用生命保険加入必須(フラット35は任意)死亡・高度障害保障
費用負担無(金利・返済額に含)
その他の保障加入の場合、住宅ローン金利に上乗せ
(0.1~0.3%程度)

引用元

国税庁|No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

購入後にかかる諸費用

物件を購入し、引き渡し完了後にもいくつかの費用が必要です。不動産取得税・引越し費用・家具家電購入費用・リフォーム費用など、それぞれの目安は以下の通りです。

不動産取得税固定資産税評価額×3%
※取得物件により軽減措置
引越し費用10〜20万円
※荷物の量や距離などによって異なる
家具家電購入費用50~100万円
※購入するものによって異なる
リフォーム費用500~1,000万円
※リフォーム内容によって異なる

引用元
総務省|地方税制度|不動産取得税

中古住宅の購入で後悔しないためにも注意点を押さえておこう

中古住宅の購入で後悔しないためにも注意点を押さえておこう

中古住宅の購入は、大きな予算が必要な買い物のため、購入した後に失敗してしまったと思っても簡単に買い直すというわけにはいきません。後悔しないためにも、気をつけたいポイントを押さえてしっかりと確認し、できるだけ理想に近い住宅を購入できるようにしましょう。

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